内容説明
もし武力紛争をなくすことが難しいのであれば、それを抑制・制限することが肝要であり、さしあたりそのための方策を考えることこそが重要かつ必要なのではないか?戦争や暴力の諸相を道徳や倫理という視座から問い直し、戦争や平和について開かれた対話や議論を行うためのツールを提供する。
目次
第1章 戦争倫理学の基礎
第2章 戦争倫理学の理論
第3章 正戦論の原則
第4章 正戦論の射程
第5章 戦争倫理学の実践
補論 安保法制について
著者等紹介
眞嶋俊造[マジマシュンゾウ]
1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業、同大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了、米シカゴ大学大学院社会科学部修士課程修了、英バーミンガム大学大学院グローバルエシックス研究所博士課程修了(PhD)。北海道大学大学院文学研究科博士研究員を経て、2008年4月より同研究科・応用倫理研究教育センター准教授。専門分野は倫理学、応用倫理学。特に国際関係における倫理的諸問題、また専門職倫理を研究対象としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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アン
2
ちょっと表現がくどいところがあると思った。2019/08/14
たろーたん
1
正しい戦争の理念形を述べられ、理解はするものの、正直「だから、どうした?」と思わざるを得なかった。この正戦論は何に使うことができるのか、私には分からない。倫理学は、私たちが直面している問題を、違った角度で考えさせたり、当たり前だと思っていることを脱構築したりして、新しい光を当てるものだと思う。しかし、この本の正戦論を見ても、それがどう問題とリンクするのか分からなかった。意地悪な言い方をすると「俺が考えた最強の軍隊」みたいに「俺が考えた正しい戦争」のような現実に意味のなさない空論っぽく思えた。(続)2023/09/14
さとちゃん
0
帯にある「思考停止したくないすべての人のために」というのが本書のスタンスなのでしょうね。倫理学的に戦争を突き詰めて考える、ということは今までしたことがなかったので、かなりの思考訓練となりました。2016/08/20
ペンギン捜査官
0
戦争に対して思考停止的に、「悪」「正しくない」とレッテルを貼っていた私にとっては、現実的・理想的にかつ客観的に「戦争」を捉えるための良い機会を与えてくれた。 初学者、というか戦争倫理や社会学の知識がない私でも、本書の内容は理解しやすかった。逆を言えばあくまで入り口への案内で、深入りは積極的に避けていたし、著者もあくまで「案内人」で、それぞれの論に「賛成」か「反対」かの意思は全く表明されていないと言っていい。入門書って位置づけだし、土台の提案のみが目的ならそれが正しいのかも。2024/12/01
ウエオロ涼
0
これまでなされてきた正戦論の議論を拾っていく。アウグスティヌスの正戦論の箇所はなるほどと。”正しい戦争をなすことを余儀なくするのは、敵対する側の不正義である。戦争の目的は平和である。「戦争がなされるのも平和への意図、平和は戦争によって望まれる終局にある」” カーの「危機の20年」において述べられていた、ユートピアニズムとリアリズムの終わらない相互批判が続くということのみが結局のところ、暫定で言える2024/06/25
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