感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
*
4
子どもに安心して見せられる、と言われているエンタメほど、実は毒の部分こそが大事だったりする。それはサザエさんや特撮ヒーローにも当てはまるかなと思う(一方、教育に悪いとの烙印を捺されながらも、大人を泣かせ続けるクレヨンしんちゃんって凄い)。▼ドラ評論の為に仕方ないとはいえ、ちょっと30代~40代のオタク男性をなじり過ぎかも。人生はチョコレートの箱なのだから...2017/11/29
ユウティ
3
自身のドラえもん観を確立していて、ネガティブ分析一切不要な方は読まないほうが良い。特に80年代以降のよいこなドラえもんに親しんだ世代は要注意。わたしもそのはずだけど…。エコにうんざり、しずちゃんエロスへの疑問、いただきなど頷くところも多い。大長編考ではコードの明文化、駄作と斬る表現、恐怖の分析が秀逸。ドラえもんの助けやしずちゃんとの結婚をFの願望と解釈するところは大人向け。ほかの作品やFのエピソードも多数。わたしはドラ愛にあふれたこの本、好きです。のび太のこき下ろし方はきついけど意図的だよね、きっと。2017/08/28
きみー
3
あとがきの通り、表紙の猫写真につられて読みました。ドラえもんを論じながらそれを読んで見て育った子供たちの生き方や社会について語られます。かなりキレキレで、駄作映画からしかリアルタイムで見ていない私には、そんなキツイこと言わないでくれよと思わんばかりの文章です。確かに長編作品は小さき頃に読んだ初期の漫画の方がワクワクして面白いですが…あらためてドラえもんをそして、他の藤子・F・不二雄作品を読みたくなりました。2017/05/27
かみーゆ
1
そうなんだよのび太ってほんとクズなんだよ。だがそれがいい。ドラ泣きとか死ねばいいと思ったもんね。あんなのF先生生きてたら絶対許さなかったでしょうよ。映画は急にのび太が頑張り屋さんだったりジャイアンがいいヤツだったりの違和感はあったけど、神7はホントにクオリティ高いよね。リメイクの改悪はヒドいけど。「少年期」だっけ?武田鉄矢の主題歌も良かったなあ。などなどいろいろ考えながら著者の牽強付会ぶりを面白く読ませていただきました。あと表紙もかわいかったです。2019/06/25
Ririko
1
今まで慣れ親しんできたお馴染みの面々が急に生々しいリアリティを帯びてくるから面白い。 ドラ知識があればあるほど「あるある!」が楽しいし、漠然としか知らなかった読者はドラえもんの違った一面に出会える。 『ドラえもん』を子どもに見せるべき素晴らしい作品だと声高に叫ぶわけでも、キャラクターやストーリーの欠点を批判するわけでもない。ただそこには稲田豊史のドラえもん愛が詰まっている。2018/08/08