内容説明
FIT、電力小売り自由化、発送電分離―日本の電力ネットワークが変わる!新ビジネスにつながる技術動向を徹底解説。
目次
第1章 スマートグリッドの今
第2章 スマートグリッドを定義する
第3章 日本版スマートグリッド最新動向
第4章 スマートメーター
第5章 海外の動き
第6章 電力システム改革とスマートグリッド
第7章 実用化までに残される現実的課題
著者等紹介
横山明彦[ヨコヤマアキヒコ]
東京大学大学院新領域創成科学研究科教授(工学博士)。大阪府生まれ。1984年東京大学大学院工学系研究科電気工学専門課程博士課程修了後、同大学の助手、講師、助教授を経て、2000年より現職。主に電力システム工学(電力システムの解析・計画・運用・制御)の研究に従事し、総合資源エネルギー調査会など国の審議会や研究会の委員などを歴任。電力システム改革制度設計ワーキンググループの座長を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syuu0822
3
電力システム工学研究を行う東大大学院教授が、書いた本です。スマートグリッドという次世代電力システムについて、その考え方が出てきた経緯や海外の事例も合わせて解説しています。 普段当たり前に使っている電気ですが、自分の知らないところで行われている様々な課題や改革を知ることができました。これからのエネルギー業界について勉強するのにオススメの一冊です。2018/12/19
ryo1oo3o
1
公的サービスにおける新技術導入には、もちろん政策的誘導が不可欠だが、市場原理に晒されない以上、その技術導入に関するリスクについては社会全体で負う必要がある、ということがよく分かる。ここで社会全体で好きなだけ新技術導入できるFITが不完全なのは明らかだが、すんなりこれが受け入れられたのが謎である。2015/08/10
O. M.
1
2015年2月発刊。国内外のスマグリ関連技術・制度の動向解説書。一般向けで難易度は中。基本的な言葉の定義から、現実の諸問題、将来の課題まで、広く扱っており、今読まれるべき本。事実の紹介が多いですが、所々入る著者の鋭い意見にも価値があります。感想として、近年日本の電気事業の環境変化の下、電力系統計画・運用の全体最適化が困難になり、そのしわ寄せが全て送配電部門にきているという印象です。技術的に明確な解は確立されていません。送配電部門は今後必要な投資も不確実性(停電リスク)も上昇することを認識することですね。2015/06/14
ソウ
1
良書。「賢い電力ネットワーク」定義は「情報通信システムによる双方向通信を利用し、需要家の情報も活用しながら、安定的で効率的な電力ネットワークを実現すること」。ヨーロッパ各国(イタリアが最初に)が採用。2012年再生可能エネルギー固定価格買取、2016年電力小売り自由化。大量の太陽・風力発電は、既存のネットワークに大きな問題(大停電等)を起こす。スマートメーターの設置によって、検診・開閉栓・需要に応じた発電抑制の遠隔操作等が可能に。情報通信を利用したテロ、雇用、料金の値上がり(設備投資の転嫁)等を懸念。2015/04/24
小太郎
0
東日本大震災後の電力システム改革と同時並行で検討されているが、どちらかというとあまりスポットが当たっていないスマートグリッド。スマートグリッドという単語そのものがわかりづらい、キャッチーでないところも原因にある気がする。今までは、電気の需要は能動的にコントロールできないという大前提で物事が進んでいたが、今後はスマートメーターの導入等により、もっと能動的に、システマチックに電力の需給調整ができる可能性がある。足元の電力改革を理解するにも良い本、内容はちょっと難しいが。2016/08/03