内容説明
明日の実践への立場を確立するために、国語教育とは何であったかを振り返る。
目次
1 昭和前期・国語教育の探究
2 戦後期1 国語教育の革新
3 戦後期2 読解指導の革新
4 目標論・教育過程の史的展開
5 教科書の研究
資料
著者等紹介
田近洵一[タジカジュンイチ]
1933(昭和8)年、長崎県島原市に生まれる。横浜国立大学卒業後、川崎市、東京都で小・中・高の教壇に立つ。横浜国立大学助教授、東京学芸大学教授、早稲田大学特任教授を歴任。その間、筑波大学、上智大学、都留文科大学、東京女子大学、日本女子大学等の非常勤講師を務める。東京学芸大学名誉教授。所属学会は、日本文学協会(委員長)、全国大学国語教育学会(常任理事)、日本国語教育学会(理事長)、国語教育史学会(会長)等(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yokotanman
1
明治の学制発布から現在までの国語教育を俯瞰し、わかりやすくまとめた一冊。内容が深く濃いので、頁を繰る速度があがらず、時間をかけて読んだ。国語教育が、その時代時代の文化を反映する鑑であると同時に、いかに政争の具として利用されてきたかも実感。西尾実・時枝誠記の論争、倉澤栄吉・沖山光の論争など多くの対立があったが、どれも言語活動主義・言語生活主義と言語技能主義・言語能力主義との振り子の繰り返しだと、実感できる。この両者を弁証法的に止揚しないと国語教育の発展はない。2014/05/14
山がち
0
時間がないので大雑把にしか読めず、もちろん理解が及ばない。私自身が「書くこと」に興味を持っているということを差し引いても、「読むこと」に偏ってはいないだろうか。これは、現代に至るまでの国語教育史がそうであったのか、それとも単に著者の関心によるのかは私にはわからない。もし著者の関心によらないのであれば、言語活動というくくりで大きく四領域を一体化して教育理論が練られてきたのではなく、むしろ読むことを中心に進んでいったということだろうか。特定の領域に興味を持った実践家の存在だって無視はできないはずであるのだが。2014/08/21
虎哲
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国語教育史学会会長田近洵一先生による論文集成。日々の実践は今や未来に向かっていることは間違いないが、過去の論考や実践を温ねることは単なる懐古趣味でなく、日々の実践に繋がっていく。私の研究テーマである国語科と探究との関連で言えば、京都師範学校男子附属中小学校『国語の自由研究 指導の実態』や倉澤栄吉によって提唱された新単元学習や情報読書の実態、平成元年度指導要領第3学年選択科目「国語」が興味深い。今後私の手で深めていく必要がある。今後の研究の宝箱である。「戦後の国語教育論争 覚え書きとして」は特に有難かった。2019/07/20