内容説明
将来の日本を正確に遠望し、いずれ必要とされる人材の育成を全国に先がけて推進した大儒穀堂。英明の藩主・鍋島直正をはじめ、あらゆる分野に活躍する人材を輩出せしめた一大功労者である。
目次
第1章 古賀穀堂とはどんな人か
第2章 古賀家の人々と友人たち
第3章 古賀精里の教育観
第4章 修養時代から教授時代―『学政管見』献策
第5章 世子貞丸の教導
第6章 天保の藩政・学政改革のはじまり
第7章 学政の発展
著者等紹介
生馬寛信[イクマヒロノブ]
1944年、広島県生まれ。1966年、広島大学教育学部卒業。現在、佐賀大学名誉教授。教育史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
2
教育史専攻の著者による、教育者・教育制度改革者としての穀堂を中心に書かれた本。110頁という薄さはややもどかしいが、それでも一冊古賀穀堂なのが何とも嬉しい。「度量が大きく包容力があり、清濁あわせ飲むところがあった」とは実弟の侗庵の談。「人に追い抜かれることを何の苦痛とも感じず、それゆえに成功するために刻苦することもなく、競争心も薄く、その書くものには何の俗物的卑しさもない」(中村真一郎)という評が適切なのだとしたら、何て幸福な生まれつきなのだろうと思う。自然体過ぎて堅物の父精里はやきもきしたようだが(笑)2015/04/14