内容説明
穏やかで人なつこい、優雅で気高い、気取り屋で見栄っ張りな可愛い奴。しなやかで素早い小さな虎、額を擦り付けてくる甘えんぼ、不機嫌を顕にする気侭な情人―なんとチャーミングで蠱惑的な奴なんでしょう。ゴロニャンとの切なくてあったかい日々。
目次
第1章 想い出のゴロニャン(ゴロニャンの原点;貢ぎ物で飼い猫の座を ほか)
第2章 世界は猫で回っている(息子が預けた仔猫;真にあっけないのだ ほか)
第3章 ゴロニャンに教わる(笑われるとムッとして;お前は大した猫だ ほか)
第4章 猫よ、なんと蠱惑的な奴(運転手の人柄を見抜く?;迷い猫の実家探し ほか)
第5章 ウニが教えてくれたこと(ウチに仔猫がやって来た!;泣き止んだウニ ほか)
著者等紹介
安部譲二[アベジョウジ]
作家。1937年5月17日生まれ。1986年、デビュー作『塀の中の懲りない面々』がミリオンセラーを記録。一躍、人気作家となる。漫画作品の原作者として、『RAINBOW―二舎六房の七人』(作画・柿崎正澄)で第51回小学館漫画賞一般部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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空猫
17
安部氏の作品を検索していた際、表紙絵で衝動借り。動物、とりわけ猫にメロメロな安部譲二氏が物心ついた頃から出会った猫達への愛情たっぷりエッセイ。…猫は声を出して啼くばかりではなく、尻尾も背中の毛も髭も瞳も体中をみんな使って喋る。飼っていたペットを捨てるなど、ヤクザより金貸しより悪徳政治家よりずっと非道い。生き物と一緒に暮らすと家が和やかになって、みんな笑顔になる。猫好きに[悪い人はいない]のだ<(`^´)>2016/05/07
千穂
12
中々の経歴の安部譲二さんが、こんなにも猫を溺愛していたとは〜〜終戦間際の幼少期のゴロニャンとの出会いから始まり、野良の気持ちも読めてしまう無類の猫好き。泣き笑いありの一冊でした。2016/09/12
mikeneko
8
塀の中にいた強面のオジサンは、驚くほどの猫好きだった! 子供の頃から、「組」所属の若い頃、そして現在に至るまで、人生の変遷に猫がいた、といえるくらい猫好きな方だったのですね。「生きものと一緒に暮らすと、家が和やかになって笑い声が聞こえ、みんな笑顔になる」という安部さんの持論、賛成です! そしてストレスの多い社会で自らの細胞を癌化させないためにも、笑うことは生活の糧となる。見ているだけでニタニタしちゃう猫と暮らすのは、やっぱり正解なのだ。 もう、猫なしでは生きていけない。タイトルそのままの読後感だった。2013/07/12
arisaka
6
少年時代からいつも猫がいることが当たり前だった、そんな猫との生活を愛を込めて綴った一冊。太って逞しい猫はみんな「ごろにゃん」。可愛い。安部さんがモテる理由がちょっとわかったかも。2013/09/11
みい君
5
安部譲二さんが今までに出会った猫ちゃん達にまつわるお話。あのいかつい風貌の中に垣間見える優しい雰囲気はきっと猫愛がもたらしてくれたものなのではないでしょうか?作中の猫ちゃんはみーんな可愛いんですが、その中でもスペインで出会ったソーセージ大好き猫ちゃんとの別れ、恋多きメス猫ショボとの別れは涙しました。最後は愛らしいウニちゃんとの馴れ初めにホッコリ。2019/07/20