内容説明
どこへいってもなにももっていなくても身につけたおどりが一生の財産よ―。日本にバレエをつたえた人エリアナ・パヴロバと、バレリーナたちのものがたり。
著者等紹介
川島京子[カワシマキョウコ]
神奈川県鎌倉市出身。金田春枝バレエ研究所、橘秋子記念財団日本ジュニア・バレエでバレエを学ぶ。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒業、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得。2010年博士号取得。これまでに、日本学術振興会特別研究員、早稲田大学演劇博物館COE演劇研究センター客員研究助手、米国コロンビア大学客員研究員、早稲田大学文学部助教などを経て、跡見学園女子大学准教授、早稲田大学、東京藝術大学、洗足学園音楽大学、上智大学講師。専門は、舞踊学、バレエ史
ささめやゆき[ササメヤユキ]
ベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールにて銀賞を受賞。『ガドルフの百合』(文・宮沢賢治 MOEのち偕成社)で小学館絵画賞、『あしたうちにねこがくるの』(文・石津ちひろ 講談社)で日本絵本賞、挿絵の仕事に対して1999年に講談社出版文化賞さし絵賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumiha
42
日本にバレエが伝わったのは、チフリス(現在のジョージアの首都トビリシ)からエリアナ・パブロバの亡命によってだった。『スワン』(呉勝浩))のラストはバレエの場面だったことを思い出した。ふむふむ。バレエにはこんな歴史があったのねん。2023/05/14
ヒラP@ehon.gohon
31
ささめやゆきさんが描かれているということで手に取りました。 バレエには特に興味があるわけではないので、お話に深い関心を持ったわけではないのですが、日本にバレエを伝えたのが、ロシアから逃れてきた女性であったことに感慨を持ちました。 ロシア革命の地を逃れてきたバレリーナ、エリアナ・パヴロバは、日本でバレエを教えるために、戦時下で様々な苦労があったことに着眼しました。 ささめやゆきさんの絵に包まれて、勉強になりました。2023/03/20
ベル@bell-zou
27
「バレエは、ことばのない芸術だけれど、その基礎こそが、世界につうじる「ことば」になるの」。ロシア革命がなければ日本にバレエが根付くのはもっと遅かったかも知れない運命の皮肉を感じる。けれどそれよりも、極東の異国の地に身ひとつでやってきてバレエ一筋に生きたエリアナ・パヴロバに筋の通った信念ほど何にも勝る武器は無いのだと強く思う。巻末の浜辺で踊る生徒たちの写真がとても美しく素敵だ。2023/04/09
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
19
奥付の写真、ほんとに「砂浜のバレリーナ」だった。白鳥とは「うつくしさとかなしさがつたわってくるたましいのおどり」、バレエの認識がまったく足りてなかった己の感性の乏しさが恥ずかしい。2023/07/16
栗羊羹
12
牧阿佐美バレエ団を立ち上げた牧阿佐美さんの母親、橘秋子さんとパヴロバ先生の、時代に翻弄されたお話。鎌倉に日本で初めてつくられたバレエスクール。バレエは基礎がすべて、そして感性を大切に、身につけた踊りは一生の財産。本の終わり、バレエスクールの生徒さん達が、七里ヶ浜の砂浜で高く舞い上がっているセピアカラーの写真、何よりもバレエを愛する彼女たちの笑い声が聞こえてきそうだ。2023/05/25
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