内容説明
あたらしいいのちをむかえるあなたへ。「ごんぎつね」や「狐」の作者・新美南吉が、母への思いをこめてつづった詩が絵本になりました。
著者等紹介
新美南吉[ニイミナンキチ]
1913年愛知県半田市生まれ。1932年、東京外国語学校に入学。この年、児童雑誌「赤い鳥」に「ごん狐」が掲載される。また、童謡や詩作もさかんにおこなわれ、「天国」もこのころに書かれた。亡くなる2ヶ月前には、母への思いをこめた「狐」を執筆した
長野ヒデ子[ナガノヒデコ]
1941年愛媛県生まれ。主な作品に『とうさんかあさん』(絵本日本賞文部大臣賞受賞・石風社)、『おかあさんがおかあさんになった日』(サンケイ児童出版文化賞受賞)、『せとうちたいこさん・デパートいきタイ』(日本絵本賞受賞)など。わらべうたの紙芝居も多く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
63
「おかあさんはみんな、ひとつのてんごくをもっています。それはやさしいせなかです。……」。新実南吉の詩に、長野ヒデ子さんが挿絵をつけて絵本にしたもの。この詩が書かれたのは日本が戦争に向かっていた時代。それにもかかわらず、このような優しい詩を書いていた南吉。幼い頃に母親を亡くしたという南吉の、母への想いが詰まった温かな世界です。2023/06/06
とよぽん
59
新美南吉の未発表作品(1931年、手帳に記載された詩)に出会えた。南吉の幼時は母を亡くして寂しい時代だった。そして日本は次第に戦争への道を進み始める。おかあさんがいつも子どもたちの安心な基地であってほしい・・・そんな南吉の願いを、長野ヒデ子さんが現代版に描いてくれた。世界中の全ての子どもが信頼でき安心できる大人に見守られて成長できることを願う。2023/11/18
ヒラP@ehon.gohon
25
お母さんの背中は天国なのだろうか。 新美南吉の訥々として言葉少なの詩の中に、愛情がぎっしりです。 新美南吉の時代を反映してか、戦時中の親子も描かれています。 かつて育児は母親の仕事だったから、詩にはお父さんは登場しません。 長野ヒデ子さんは、お父さんも登場させて、父親だって背中があるぞと、優しい配慮が嬉しいです。 時代が変わって、お父さんも育児休暇を取る時代ですものね。2023/08/09
ほんわか・かめ
24
おんぶしてくれる背中は天国ですね。全身にぬくもりを感じ、全身を委ねることのできるおんぶ。耳からよりも体から響いてくる声が心地よかった記憶がある。幼い頃に母の愛に恵まれなかった南吉。すべての子どもたちにまるごと委ねられる大人の存在がありますように。〈2023/のら書店〉2023/10/01
anne@灯れ松明の火
20
隣市分館新着棚で。タイトルと表紙からは想像がつかなった。手帳に書いただけで、発表されなかった南吉の詩を、長野ヒデ子さんが温かい絵を添えて、世に送り出したもの。てんごく、って、どこにある? 空の上じゃない。お母さんが持っているんだって。お母さんへの想い、さらにはもっと深い想いもこめられた、温かい作品。2023/07/07
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