内容説明
コロキパラン…キロラポン…コロキパラン…キロラポン…時おりながれてきて、はたらくわたしたちの耳を楽しませてくれるのは、ちょっとないほどにきれいな、オルゴールの調べでした。オルゴールの音色からはじまるささやかな魔法。小さなものたちがかがやく春まだ浅い公園のものがたり。
著者等紹介
たかどのほうこ[タカドノホウコ]
高楼方子。函館市に生まれる。主な作品に『へんてこもりにいこうよ』『いたずらおばあさん』(この2冊により路傍の石幼少年文学賞)『キロコちゃんとみどりのくつ』(児童福祉文化賞)『十一月の扉』(産経児童出版文化賞)『おともださにナリマ小』(産経児童出版文化賞・JBBY賞)『わたしたちの帽子』(赤い鳥文学賞・小学館児童出版文化賞)『わたし、パリにいったの』(野間児童文芸賞)など
網中いづる[アミナカイズル]
アパレル会社勤務を経てイラストレーターとして独立。1999年ペーター賞、2003年TIS公募プロ部門大賞、2007年講談社出版文化賞さしえ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
63
今の季節にぴったりな優しい物語。バレンタインチョコにそえる似顔絵をかくアルバイトをする「わたし」。どこからかオルゴールの音色が聞こえてくると……。たかどのほうこさん名義ですが、主人公は大学生なので大人視点。だから、高楼方子名義で描かれた一連のリリカルな小説の雰囲気もありますね。タイトルのオルゴールの音色「コロキパラン」をはじめ、様々なオノマトペが印象的。何気ない描写も、たかどのさんが描くと何だか深いものを感じます。期待に胸を膨らます子供たちの眼差しが可愛い。2022/03/02
とよぽん
62
たかどのほうこさんの最新作。32ページのおはなし。製本が堅牢で立派な装丁の絵本だ。不思議なタイトルだが、読んでいくとたちまち「たかどのワールド」に引き込まれて・・・。春を待つとは、まさに今だ。寒暖差の激しいこの2週間ほどだが、この作品を読んで春がすぐそこに来ているような気がした。2022/03/22
よこたん
53
春を待つ公園で流れてくるのは、手回しのオルゴールのやわらかで妙なる調べ。オルゴールを聴きながら、チョコレートを買ってくれた人に似顔絵つきのカードをプレゼントする私。何だか上手に描けちゃうし、ちょっと不思議なお客さんもやってくる。コロキパランって何だろうと思ったら、オルゴールの音色だった。似顔絵羨ましいよね、欲しいよね。読み終わって、表紙にニコニコとなる。やさしい魔法に包まれる幸せ。『てぶくろをかいに』をほんの少し思い起こさせるお話。あの子達、チョコレートも美味しく食べたのかな。2022/04/12
がらくたどん
52
ホントはまだまだ肌寒い春待ち時期に読みたかったお話。春を待つ公園に開いたチョコレート屋の屋台でチョコに添える似顔絵を描くアルバイトをする大学生の女の子の暖かく不思議な思い出話。ストリートオルガン弾きのおじさんが奏でるオルゴールの音色が公園を包む中ちょっぴり風変わりなお客様も訪れて。主人公のお友達は「森田さん」だけど、公園にリスまでいるからちょっとヨーロッパ風で、素敵な非日常のひと時を楽しめる。少し背伸びして大人の気分を味わいたいお年頃からがお勧め。みんなのうたに「風のオルガン」っていうのがあったな。2022/04/21
ぶんこ
48
「コロキパラン」て何と思ったら、おじいさんがまわすオルゴールの音色でした。アルバイトで似顔絵を描くわたし。自信が無かったが、この音色に励まされて上手に描けました。お客さんはバレンタインチョコを買ってくれた人。こんなサービスがあったら私も買っちゃうでしょう。ナイスアイデア。オルゴールのおじいさんと小さな子たちは元気かな。素敵なバレンタインの思い出。2022/03/09