内容説明
伝説化された画家の足跡をたどるうちに、「私」は不思議な世界に迷い込む―。韓国語でもよめる。
著者等紹介
イジャンウク[イジャンウク]
李章旭。1969年、ソウル生まれ。高麗大学ロシア語ロシア文学科および同大学院を卒業。1994年「現代文学」に詩を発表して文壇デビューを果たす。2005年に出版された長編小説『カルロの愉快な悪魔たち』を皮切りに数々の小説を発表し、2011年に短編小説「イヴァン・メンシュコフの踊る部屋」で第2回若手作家賞本賞を、2014年に「私たち皆のチョン・グィボ」で第8回金裕貞文学賞を受賞。また、2016年には詩集『永遠ではないので可能な』で第24回大山文学賞(詩部門)を受賞した。現在は詩と小説両方の創作活動を行うとともに、東国大学文芸創作科の教授や「創作と批評」の編集委員も務めている
五十嵐真希[イガラシマキ]
東京生まれ。早稲田大学卒業後、法律事務所に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nishiumi
14
奇妙さという点では他のショートショートの中で際立っている。一人の天才画家の人生を辿っているうちに、ミステリアスな空気が立ち込めてきて、いつの間にか不思議なところに連れていかれる。平凡で語るべきことがないと言いながら、人生のイベントはそれなりに起こり、しかし振り返ってみても区切りをつけたりまとめたりすることは不可能で……。何処にでもありそうなリアルな質感なのに最後は不可思議。う〜ん、イ・ジャンウク、クセになりそう。。2025/02/05
ゆき子
4
周りの者からの視点で淡々と語られる、謎の死を遂げた画家。彼は彼の描いた絵のように遠くにいてこそ近く、これは私だと皆が思うような普遍的な存在ではないだろうか。2023/03/13