内容説明
月が満ち欠けしながら夜空をそっと照らすように、静かに心をほぐしてくれるささやかな26の物語。
著者等紹介
シンギョンスク[シンギョンスク]
申京淑。1963年、全羅北道井邑生まれ。ソウル芸術大学文芸創作科卒。1985年に「文芸中央」の新人賞に「冬の寓話」が当選し、デビュー。1993年、初の短編集『オルガンのあった場所』が25万部のベストセラーとなり、90年代の韓国文学を牽引する人気作家となった。現代文学賞、万海文学賞、東仁文学賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リッツ
21
掌作品集というのだろうか?26の短いお話。平凡な暮らしのなかでの様々な出来事が可笑しかったり切なかったり。昔のことやもういない人たちの姿をぼんやりと感じ何だか懐かしいような気持ちになった。過ぎてきた日々のなかに優しく光る瞬間があったんだなぁと思うとほんわり気持ちが和んだ。2021/03/03
mntmt
12
作者が月に聞かせたい話を26編書いて、一冊の本になったと言う。なんてことはないけれど、なんてことあるお話たちです。カラーのイラストも素敵です。2021/07/25
GO-FEET
6
「世の中は絶え間なく変わり、その変化はまるで力のある人たちだけが作り出しているように見えるけれども、実際は自分の持ち場で誠実に日々の暮らしを営んでいる、こうした人たちが動かしてきたのだという気がした。」(「ある郵便配達人の話」) 個人的にはこういう一文に惹かれるのであります。26の掌篇と美しい装画!2021/04/12
みゃお
4
表紙のイラストに惹かれて、思わず。 4つのお月様に6篇づつつぶやきのようなお話。 なんとも不思議な世界観。 近いようで遠いお隣の国の作家さん。 誰に聴かせるでもなく でも、聴いてほしくて。 ならば、お月様聴いてよ。みたいな、感じなのかしら。 2021/03/01
Rinarnation
2
長らく蓄積されていた本。優先して読みたい本がなくなったので、順番がまわってきたところから読書がスタート。どうして、もっと早く読まなかったんだ!と自分自身を叱りたい気分です。だれにでも起こりそうな些細な、起こったことすら忘れてしまいそうな日常が繊細にそして丁寧に切り取られています。26編あるので、お気に入りの物語が見つかるはずです。「ある郵便配達人の話」が特にお気に入り。世の中は〜という一文はノートに書き留めるほどお気に入りです。2021/06/29