新しい韓国の文学<br> 少年が来る

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784904855409
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

1980 年5月18 日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になった。抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間や地域を越えた鎮魂の物語となっている。

もくじ

一章 幼い鳥                   

二章 黒い吐息                  

三章 七つのビンタ                

四章 鉄と血                   

五章 夜の瞳                   

六章 花が咲いている方に             

エピローグ 雪に覆われたランプ          

訳者あとがき

ハン・ガン[ハン ガン]
1970年韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業。
1993年季刊「文学と社会」に詩が、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し文壇にデビューした。
現在、ソウル芸術大学の文芸創作科教授。
『菜食主義者』で、韓国で最も権威ある文学賞、李箱文学賞を受賞、また2016年国際的に権威ある文学賞の1つマン・ブッカー賞国際賞を受賞。その他の作品に、短編集『麗水の愛』『私の女の実』、長編小説『黒い鹿』『あなたの冷たい手』『風が吹いている、行け』、散文集に『そっと静かに歌う歌』『愛と、愛を取りまくもの』などがある。
小説のほかに、絵本『雷小僧、天女稲妻、小僧天女』、大人のための童話『涙の箱』『わたしの名前は太陽花』などがあり、童話の翻訳も多数手がけている。韓国小説文学賞、今日の若い芸術家賞、東里文学賞など受賞多数。

井手 俊作[イデ シュンサク]
1948年、福岡県生まれ。
1974年、早稲田大学政治経済学部卒。
新聞社勤務を経て2009年に韓国文学作品の翻訳を始める。
訳書に崔仁浩の小説集『他人の部屋』と小説『夢遊桃源図』。

内容説明

光州事件から約三十五年。あのとき、生を閉じた者の身に何が起きたのか。生き残った者は、あれからどうやって生きてきたのか。未来を奪われた者は何を思い、子どもを失った母親はどんな生を余儀なくされたのか。三十年以上の月日を経て、初めて見えてくるものがある―。丹念な取材のもと、死者と生き残った者の声にならない声を丁寧に掬いとった衝撃作。『菜食主義者』でマン・ブッカー賞国際賞に輝いた著者渾身の物語。

著者等紹介

ハンガン[ハンガン]
韓江。1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文学科を卒業後、1993年に季刊『文学と社会』に詩を発表、翌年ソウル新聞の新春文芸に短編小説「赤い碇」が当選し文壇デビューした。韓国小説文学賞、今日の若い芸術家賞、李箱文学賞、東里文学賞などを受賞し、2016年『菜食主義者』はイギリスの文学賞、マン・ブッカー賞国際賞に選ばれた

井手俊作[イデシュンサク]
1948年、福岡県生まれ。1974年、早稲田大学政治経済学部卒。新聞社勤務を経て2009年に韓国文学作品の翻訳を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

338
1980年5月の光州での民主化闘争における軍事政権の非情な弾圧を描く。これは、ハン・ガンにとって自分が作家である限りは、何が何でも書き留めねばならなかったことがらなのだろう。その意味では、それは彼女の根幹にかかわるテーマであり、したがって生涯消えることなく、背負い続けているのだ。彼女は直接それに遭遇したわけではないのだが(年齢的にも、当時はまだ10歳だった)、その精神的な共感と連帯の意識は贖罪にまで高められる。ただし、その想いは単線的なそれではなく、翻って人間存在そのものにまで遡行する。⇒2025/05/02

遥かなる想い

108
1980年の光州事件を扱った作品である。 この事件で亡くなった人々への鎮魂の 物語でもある。何度か映画化された 光州事件を本で読むと 改めて心が痛い。 この時代の韓国の軍事政権下の不気味さが 今に蘇る。死者と生き残った者の哀しみが 丹念に描かれた、哀切の作品だった。2025/02/09

buchipanda3

93
夜の瞳は見ていた、月は見ていた、黙して。光州事件で虐げられた者たちへの鎮魂の物語。命を奪われた市民の中に中学生の少年がいた。なぜ彼は最後の襲撃場所に残ったのか。彼の身近にいた者や母親の回想が連なり、浮かび上がる残酷さと悲痛さに心が痛んだ。回想者が良心という言葉に揺らぎ、事件後、何年経っても身体を蝕む自分への問いを繰り返す。生き残った罪悪感に苦しむ姿も痛ましい。人は透明なガラス。粉々に砕けて初めて魂を見つけ、その魂は目を開け続けることで踏み潰すものを凝視する。手を胸にあて心音を感じながらその目を忘れない。2024/10/23

どんぐり

92
戒厳軍の武力鎮圧によって殺された民間人168人、負傷者4782人、行方不明406人。韓国の民主化を求める学生や市民が多数死傷した「光州事件」を題材にしたハン・ガンの連作小説。「姉ちゃんの居る所に行こう。でも姉ちゃんはどこに居るのだろう。僕を殺した人たちの居る所に行こう。でも彼らはどこに居るのだろう。君の居る所に行こう」と死体となった君が語る『黒い吐息』がいい。死せる者よ、安らかなれ。2019/10/21

ちゃちゃ

90
人間の中に潜む残忍さと暴力性。それが個人や社会・時代を翻弄し悲劇を生み出す。1980年の光州事件、軍事政権に対抗する民主化抗争で、夥しい数の市民や学生が犠牲になった。ハン・ガンは、その凄惨極まりない事件を、歴史的な事実として声高に訴えたのではない。理不尽な形で命を奪われた「少年」、その家族や友人たち一人ひとりの魂の叫び声として掬い上げる。阿鼻叫喚の世界であるはずなのに、不思議にも本作からは、強烈だが静かな語りの印象を受ける。物語を貫くのが、崇高で深い鎮魂の祈りだからなのかもしれない。傑作だと思う。2025/04/19

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