内容説明
冬に読んだ本。冬になると思い出す本。まるで冬のような本。「冬」と「1冊の本」をめぐる、新しいエッセイ集。
目次
幾度となく遠い昔の冬へ(青山南)
春夢君をたずねて水東を過ぐ(秋葉直哉)
霧のなかの図書館で(淺野卓夫)
私の一冊(天野祐吉)
城下町での遭遇と夕焼け(安西水丸)
偏食読書家の冬の本(いがらしみきお)
感覚の比率(池内紀)
私の上に降る雪は(池内了)
雪人間(できそこないver.)(石川美南)
お冬、あるいはその身の不幸(井嶋ナギ)〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
146
2018年始に帰省した際に立ち寄った八戸ブックセンターにてお勧め本として置いてありました。愛書家84人による「冬」と「一冊の本」をテーマにした宝物のような想い出を語るエッセイ集。今は都会に住んではいるけれど、雪国で育った私自身の消えない冬の記憶も、良い想い出として呼び覚ましてくれました。とても素敵な何度も読み返したくなるお勧めの一冊です。2018/02/09
佐々陽太朗(K.Tsubota)
139
まず目を引くのは和田誠氏による装丁。なかなかイイ感じです。しかし本は雪降るの中を歩きながら読んだら本がグチョグチョと和田さんにツッコミを入れたい。 杉江由次氏の「誕生」のあたたかさが好きです。高橋靖子氏の「記憶の公園」の病弱だった子供のころ、布団の中で親に隠れて本を読んだ記憶に懐かしさを感じる。 触発されて『愛のゆくえ』(ブローティガン)、『おわりの雪』(ユベール・マンガレリ)、『ヴァレンタインズ』(オラフ オラフソン)、『夢のつづき』(神吉拓郎)、『雪柳』(泉鏡花)、『氷平線』(桜木紫乃)を発注。2016/01/02
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
120
〈冬〉と〈本〉をテーマに作家や詩人、ミュージシャンなど84人が自由に寄せたエッセイ集。〈一人出版社〉夏葉社の本です。掌にしっくりと収まる可愛らしい造りで、プレゼントにも良さそう。装丁は和田誠氏。好きなところから気ままに読むのが相応しいと思います。以下、お気に入りを敬称略で。角田光代・柴田元幸・杉田比呂美・名久井直子・穂村弘・万城目学・又吉直樹・町田康・山崎ナオコーラ・吉田篤弘。冬ならではの温もり。自分にとっての〈冬の本〉を考えたら『雪のひとひら』と『ムーミン谷の冬』が浮かびました。みなさんはいかがですか?2015/01/30
シナモン
110
84人の冬の本のかたち。一編が見開き2ページで完結だから、次は、次はってページを捲ってるうちにあっという間に読み終わった。それでも一編一編の冬のかたちにググッと引き込まれ、たくさんの冬の思い出を堪能できた。ずっと気になってた一冊。手もとに置いておきたいお気に入りの一冊になった。やっぱり読書は冬だな!2025/01/07
あつひめ
107
84人の人が、1000文字で表す冬の本。私が思い浮かべるのは…江國さんの雪だるまの雪子ちゃんや渡辺淳一さんの阿寒に果つ。どちらも真っ白な雪が辺りを包み込む。どの季節も好きだけど…よく考えると冬が…いや、雪が好きなのかも知れない。84人の思い。様々な言葉が並んでいるが「生きるの大好き冬のはじめが春に似て」という素敵な句に出会った。冬はとても厳しいおばあちゃんのような気がする。厳しさの中にそっと包み込む優しさがあって。他の季節の本も手にとってみたい。それぞれの季節の優しさに触れるかもしれない。2014/01/08