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内容説明
本書は「激動の3年間」を駆け抜けた私自身の生々しいドキュメンタリーであると同時に、日本の刑事司法の最前線をさまざまな形で切り取り解説した「刑事時事問題の入門書」でもあります。日頃は刑事司法のことを「遠い別世界の話」と感じている一般市民の方々にも、本書を「読みもの」としてお手に取っていただけると幸いです。
目次
第1章 大崎事件と再審の闘い(「手負い鴨」京都へ;「音楽の力」;「さすらい鴨」とコロナ ほか)
第2章 再審法改正への取り組み(動き出した即時抗告審;刑事裁判と「バイアス」;「差戻し」と「自判」を考える ほか)
第3章 袴田事件再審無罪(3月の「ホップ・ステップ・ジャンプ」;「虎に翼」と刑事司法;台湾からのエール ほか)
著者等紹介
鴨志田祐美[カモシダユミ]
日本弁護士連合会(日弁連)再審法改正実現本部本部長代行/大崎事件再審弁護団事務局長。1962年鹿児島市生まれ。1985年早大法学部卒業後、会社員、予備校講師を経て、2002年に40歳で司法試験合格。2004年鹿児島県弁護士会登録。2010年弁護士法人えがりて法律事務所設立。2012年鹿児島県弁護士会副会長。2021年京都弁護士会に移籍。現在はKollect京都法律事務所に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おやぶたんぐ
6
再審請求事件として著名な大崎事件の弁護人(正確には請求人原口アヤ子さんの代理人)であり、再審法改正にも大きく関わっている著者による現在進行形の報告。一般の方向けに書かれているが、取り分け熱が入っている(当たり前だが)大崎事件決定に関する記載は、再審請求事件の知識、特に審理手法である“2段階限定的再評価説”について知らないと分かりにくいかも。それでも現在ホットな再審法改正に係る諸事情を知るのに有益だと思う。2025/05/25
てくてく
5
ベレー帽がトレードマークの鴨志田弁護士が、鹿児島から京都弁護士会に移籍した後に執筆した『創』掲載コラムを加筆修正したもの。再審法改正の法制審議会での検討が始まったが、そこに至るまでの冤罪事件、特に鴨志田弁護士のライフワークである大崎事件および無罪が確定した袴田事件などについてその問題点などを歯切れよく指摘している。「エルピス」が冤罪や最新の問題を取り上げたことを評価しつつもその危うさ=真犯人を発見しなければ冤罪を晴らせないものだとミスリードしてしまうことも指摘している点も良かった。2025/04/20