内容説明
「銀河鉄道の夜」、「銀河鉄道の夜 初期形ブルカニロ博士篇」に次ぐ、三度目の漫画化。 2020年1月から「赤旗日曜版」連載開始「銀河鉄道の夜・四次稿編」の第1巻。
著者等紹介
ますむらひろし[マスムラヒロシ]
1952年、山形県米沢市生まれ。1972年、初めて描いた漫画「霧にむせぶ夜」を投稿、手塚治虫賞、準入選。デブ猫ヒデヨシと仲間たちが活躍する「アタゴオルシリーズ」を描き継いでいる。1997年「アタゴオル玉手箱」で日本漫画家協会大賞を受賞。「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」など、宮沢賢治の童話を猫に置き換えた作品やエッセイでも知られ、2001年には宮沢賢治学会よりイーハトーブ賞を受賞。現在、自身3度目の漫画化となる「銀河鉄道の夜」執筆中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
(C17H26O4)
85
物語の筋を追いかけたいなら旧バージョンが良いような気がする。が、この新バージョンのこだわりのすごさよ。コマ割りの多さ、細部の描き込み。なんといってもカラーページ。特に見開きを使ったページには溜息が出る。賢治の指定している色を描き分けているらしい。青い色の美しさからはジョバンニのさびしさや悲しみが迫ってくるようだ。時間をかけじっくり読んだが、続けてもう一度読もう。第一巻は「銀河ステーション」の声がして、気がついたらジョバンニが軽便鉄道に乗っていたところまで。全四巻の予定とのこと。第二巻は来春。非常に楽しみ。2020/11/21
へくとぱすかる
63
83年以来の新版だという。店頭で実物を見て、何とも驚いたことに、B5判ハードカバー! めくるごとに現れるカラーページの色彩が、ものすごく美しい。モノクロページとのコントラストも効果抜群だ。ケンタウル祭の夜の町のシーンなど、感動してしまう。こんな青色があるとはね。表紙の時計店のイラストだけからも想像がふくらむ。書き込みの丁寧さもうなる。研究書もふくめて、もう何度読んだかわからない作品だが、今日こうして、ますむら氏による再度の視覚化が、また新鮮な経験をさせてくれた。全4巻の1冊目だが、続刊が待ちどおしい。2020/11/12
ぐうぐう
40
イヴの夜に読む、ますむらひろし『銀河鉄道の夜』。ますむらが『銀河鉄道の夜』を描くのはこれで三度目となる。一度目は、1983年の第四次稿(最終形)を描いたもの、その2年後に描いた第三次稿(初期形)「ブルカニロ博士篇」、そして三度目となる今作は、今一度第四次稿を描き直す。一度目の四次稿は96ページの作品だったが、約600枚のボリュームとなって生まれ変わる。大型本で、しかもカラーページ満載なのが嬉しい。「描くということは、賢治の描いたボンヤリした世界の現場検証みたいなもの」とますむらが言うように、(つづく)2020/12/24
TANGO
32
発売を楽しみにしていた一冊。オリオン座が見える頃になると、読みたくなる「銀河鉄道の夜」。映画も大好きで、何度も観ているけれど、今回の「四次稿編」は全四巻、2025年に完結予定。カラーページもたくさんあって、色が溢れ、言葉が跳ねて、心に飛び込んでくる、本当に宝物のような本だった。長い長い旅路を一緒に行ける喜びを噛み締めながら、次巻を待ちたい。2020/11/09
小鈴
27
美しい。素晴らしい。自分へのクリスマスプレゼントになりました。正直言って高いなって思ったんですけど、届いてびっくり大判(B5よりおおきくA4より小さいサイズ)でした。子供時代以来の読書ですが、銀河鉄道の夜って未完だったんですか!アニメも宮沢賢治の小説も読んだはずなのですが、まるで記憶なく。。。年を取ることはいいことですね。内容をすっかり忘れているので先が楽しみです。2025年に完結、全四巻らしい。このサイズで揃えたい。2020/12/11