内容説明
明治38年、井上清少年は札幌時計台の前にたって将来、この時計のきかいをいじれるようになりたいと夢見ていました。時計職人になった井上少年は、いろいろな店で時計のべんきょうをして、ついに“時計台のお医者さん”になりました。時代が変わり、まちがかわっても、何十年にわたって時計台を守ってきた井上さん親子と札幌時計台の物語。
著者等紹介
川嶋康男[カワシマヤスオ]
ノンフィクション作家。北海道生まれ。『大きな手大きな愛』で第56回産経児童出版文化賞JR賞(準大賞)受賞
ひだのかな代[ヒダノカナヨ]
宮城県生まれ。3歳より北海道で育つ、札幌大谷短期大学保育科卒業。2000年よりイラストレーターとして活動を始め2004年「ねこがさかなをすきになったわけ」で絵本デビュー。他、作品に「りんごりんごろりんごろりん」(以上新風舎/2作品とも「けんぶち絵本の里大賞びばからす賞」受賞。また、韓国にて翻訳本も出版)。札幌市円山動物園でボランティアガイドもつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケニオミ
10
札幌の時計台は有名だけど、そのことについてなあ~にも知りませんでした。この時計台、今でも振り子で動いているなんて、驚きを通り越して感動です。この時計台に魅せられ、時計職人の道に進んだ井上清さんは、一時時計台が見向きもされなかった時期から点検・保守をするようになったそうです。井上さんの子供に対するような愛情で、今も往時の姿を保っているんですね。今では井上さんも亡くなり、息子さんが点検・保守しているようですが、ずっと続けて欲しいですね。かつては大きな時計台も、今では周りにビルだらけの小さな時計台だそうです。2014/11/16
はやしま
9
時計台に魅せられ時計職人になり時計台の守人となった方の物語。時計台と札幌の開発の歴史もわかりやすい。地元の人々は折に触れこうした話を見聞きしているだろうが自分には新鮮だった。Air Doの機内には北海道に関連する本が搭載されていることを知って機内で借りて読んだうちの一冊。観光で来られる方に良い試みだと思う。2017/01/22
みんにゃりん
9
札幌時計台130周年記念絵本。N.Y.小町にも出て来た"ばふん風"の馬糞が積もってた時期があったとは、、、><2015/05/20
みなかすみ@道北民
7
大学生時代4年間、札幌に住んでいたので、懐かしい感じがしました。でも中には入ったことがないなあ。そのうち見に行きたいです。2012/01/26
ヒラP@ehon.gohon
5
この絵本を読んで良かったと思うのは、札幌時計台の大きな存在感を再認識できたこと。 時計は時を刻んで初めて時計なのだと、当たり前すぎることにこだわりがあったことには思い至りませんでした。 井上清さんの時計台に込めた思いとこだわり。 その思いは、人ととして井上さんの生き方に根強い心棒を作りました。 この本は時計台のことを知ることのみならず、人の生き方についてとても大きなことを語っています。2012/07/22