内容説明
グローバル化へ向かう状況に驚くべき柔軟さで適応し、絶えず新しい状況を作り出してきた村上春樹・Haruki Murakamiは、「文学」そのものがすでに抗いがたく新しい場へと変貌してしまっていることを、他に先駆けて教えてくれている―。多言語・多文化的な視点から、様々なアプローチと文学的言説を交錯させる試みを通じて、村上春樹文学のグローバルな「現在」を検証する。
目次
1 村上春樹と世界(システムのなかの個人―村上春樹・カフカ・オーウェル;無意識と神話の心―村上春樹の作品におけるバランスの問題 ほか)
2 座談会 世界のなかで村上春樹を読む
3 外国語のなかの村上春樹(荒野の始まりと遠東(ファーイースト)ダイアローグ・テーブル
「距離」を取る難しさ ほか)
4 村上春樹研究への眼差し(“春樹論”の流れと広がり;村上春樹文学翻訳状況一覧 ほか)
著者等紹介
柴田勝二[シバタショウジ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。博士(文学)。1956年生まれ。1986年、大阪大学文学研究科(芸術学)単位取得退学。専門分野は日本近代文学。明治・大正期から現代にいたる近代文学を幅広く研究・評論している
加藤雄二[カトウユウジ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。修士(文学)。1963年生まれ。1990年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、ニューヨーク州立大学バッファロー校博士課程中退。東京大学文学部助手などを経て現職。専門分野はアメリカ文化、批評理論、比較文化論。国内外で活動し、小説、詩、音楽などを広く研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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