感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
13
難民としてフランスに渡り、タクシードライバーとして生計を立てていたという作者によるカンボジア語で書かれた物語だと聞いて手にした本に描かれていたのは、未だ訪れたことがないカンボジアがなぜか懐かしくなる物語。内戦やその後に続いた粛正のために、多くの人の命が奪われ、様々な記憶が断絶したであろう彼の地に暮らす人々もまた、物語の中に故郷を見出すのだろうか? 2014/12/14
のうみそしる
3
ともすると悲惨や残虐ばかりが目立つポルポト時代の描写でも、どことなく飄々と書いているのが素晴らしい。戦場といえど生活は行われる。「お詫び申し上げます、クメール・ルージュ用語です」とかの表現もまた著者の図太さ、確かな教養を伺わせる。後は、当時のカンボジアを知るための色々な情報が溢れている。2019/01/03