内容説明
「大きな物語」としての“60年代”をくぐりぬけて作家となった中上と村上。その差異と重なりを緻密に読み解き、ポストモダンの様相を浮かび上がらせる画期的文学論。
目次
第1部 “六〇年代”への葬送(転移する暴力―『岬』への系譜;“動物”を殺す話―『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』と六〇年代;重層する現代と古代―『枯木灘』の時空)
第2部 “終わり”の彼方へ(反転する物語―『羊をめぐる冒険』と“漱石”の影;“天皇”のいない世界―『地の果て至上の時』の象徴界;“終わりの後”の物語―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』とポストモダン批判)
第3部 アジアと歴史への眼差し(遍在する「底」―『ねじまき鳥クロニクル』『アフターダーク』における暴力;殺し、交わる相手―『海辺のカフカ』における過去;“力”への憧憬―『異族』とポストモダンの天皇)
著者等紹介
柴田勝二[シバタショウジ]
1956年兵庫県生まれ。1986年、大阪大学大学院(芸術学)博士後期課程単位修得退学。現在、東京外国語大学教授(日本文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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