内容説明
土居健郎の「甘え」理論とボウルビィのアタッチメント理論の歴史と現況を丁寧にたどり、実践者としても名高い執筆者らの手によって融合を試みたものである。成人の深刻な精神病理を示す患者の治療において、乳児期の体験の重要性が明らかになってきた中、臨床の世界において、乳児期のアタッチメント体験の質的検討に注目が集まっている。行動面に着目し、実証的な科学として発展してきたアタッチメント理論と、その子どものアタッチメント行動の背後にある、「甘え」理論。この両概念の理論的な架橋を試みた意欲的な本書は、多くの臨床家にヒントを与えるものであろう。
目次
1 総説
2 「甘え」理論の歴史と現況
3 「甘え」理論と臨床実践
4 アタッチメント理論の歴史と現況
5 アタッチメント理論と臨床実践
6 終章
著者等紹介
小林隆児[コバヤシリュウジ]
西南学院大学人間科学部社会福祉学科(教授)。九州大学医学部卒業。専門、児童精神医学、臨床心理学
遠藤利彦[エンドウトシヒコ]
東京大学大学院教育学研究科(准教授)。東京大学大学院博士課程単位取得退学。専門:発達心理学、感情心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろか
5
土居の甘えと、アタッチメント理論の出会い。元々は雑誌の特集として、組まれたようだが、雑誌が休止したため、別の出版社から書籍となったもの。2014/02/22
hanan
1
心理学の講義を受けつつ、実はオイラもアタッチメントと「甘え」って何が違うんだ?と思ってたところだった。しかーし、ちょい違うんだーとわかった。詳しくはmixiレビューに書いたです。2015/05/01
餃子
0
甘えとアタッチメントや、AAIとASIの相違がとてもわかりやすく書かれていた。対談の章やアタッチメントと思春期臨床、終章が特に良かった。甘え理論に興味が湧いた。2017/02/19
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