内容説明
言いたかった最初の言葉は、「ごめんなさい」と「ありがとう」―。通常の会話はほとんどできないという重度の自閉症者である作家・東田直樹。二十歳になるまでの2年間、雑誌ビッグイシューに連載したエッセイをまとめた一冊。文字盤で思いを伝えられるようになるまでや、家族と日々のこと、自分にとっての自閉症、ありのままの自分を生きるなど、自閉症として生きるなかで見えている風景を綴る。演出家・宮本亜門さんとの対談も収録。2012年刊の増補版。
目次
1 風になり、花や木の声を聞く―僕のこと
2 記憶は点、僕に明日はない―僕と自閉症
3 色そのものになって塗る―僕と表現
4 受け取った幸せをみんなに返したい―生きる理由
5 地球上に存在する命に感謝―生きていく僕
対談 宮本亜門×東田直樹―人は誰かに必要とされて幸せになる
著者等紹介
東田直樹[ヒガシダナオキ]
1992年、千葉県生まれ。作家。童話、詩、絵本、エッセイなど、これまで19冊出版。『自閉症の僕が跳びはねる理由』の翻訳本『THE REASON I JUMP』が英国、米国、カナダで発売され、ベストセラー入りを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
せ~や
23
過去に読了。講演会に行って思わず購入。こんな景色が見えてるんだとは思ったけど、少し距離があってどこか他人事で、きちんと自分の中に落とす事が出来なかった。
南
20
誰もが違っているのに、思っている、考え方はひとつでなければおかしいと思われる風潮。流れているように思います。その中で、自分と同じ気持ちを持っている人と出会うと、幸せになるのじゃないか、とも思います。 東田さんの言葉は、自閉症の家族がいる私にとって、興味深いものが多い。また読もうと思います。2018/11/10
オリーブ
9
最初は彼のような障害を持った方と直接心を通じる機会がない私は彼らが日々をどう感じているのかを知りたかった。そして手にとる機会を彼の本で得て感じたこと・・それは人と比べて落ち込んだり自分を分かって欲しかったり、時にマイナスイメージもある感情と向き合い、闘い、共感しあいたい気持ちなど何ら私と変わらない心を持っていたことを、彼が障害者であることを超えて同じ感情を持っている人がいたこと、それをこうして言葉にして表現してくれたことが嬉しい。2017/06/17
テディ
9
強い!2017/06/09
ヒラP@ehon.gohon
9
東田さんの生き方がストレートに解る本です。自閉症であることを受け入れ、肯定的に生きる姿に、中途半端な理解や同情を求めてはいないことがひしひしと感じられました。2017/02/20