精神障害とともに

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  • サイズ A5判/ページ数 298p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784904380703
  • NDC分類 369.28
  • Cコード C0036

出版社内容情報

精神障害者の実状を密着取材し、共生社会への道を探る
日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞連載、待望の書籍化

戦後、精神疾患患者の地域生活移行が進んだ欧米諸国に比べて、日本は逆行し、精神病院に収容する政策を進めてきた。近年、地域生活中心にシフトする方針へと大きく舵が切られたが、精神障害に対する社会の理解はまだ不十分で、地域で患者を支える体制が整っておらず、長期入院患者の退院は進まない現状にある。

そんな日本の中でも、鹿児島県は人口に対する精神病床数、入院患者数、入院日数がいずれも高い割合にある。「精神障害を取り巻く問題は鹿児島の報道機関こそ取り組むテーマ」という問題意識のもと、鹿児島の新聞社が、精神障害者の実状を知るために病院・暮らし・就労などの現場を密着取材し、社会的偏見の解消を目指した記事を連載した。記事には精神疾患を抱える多くの方々が実名と写真を出して協力し、大きな共感と反響を呼んだ。

その南日本新聞社の連載「精神障害とともに」が2017年度日本医学ジャーナリスト協会賞大賞(新聞・雑誌部門)を受賞し、今回、待望の書籍化を果たした。

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はじめに―共生社会、探る旅へ(本文より)

精神障害者が増えている。
国は2011年、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の4大疾病に新たに「精神疾患」を加え、5大疾病として対策を強化している。
14年の全国調査で、精神疾患患者は392万人を超えた。
5大疾病の中で最も多く、今や国民病とも言える。
精神疾患には、統合失調症、うつ病や双極性障害(そううつ病)といった気分障害、アルコールなどの依存症、てんかん、認知症が含まれる。中でも職場でのうつ病や高齢化に伴う認知症が増加している。
日本は欧米諸国と比べ、精神科のベッド数が多く入院期間が長い。地域で患者を支える体制整備が遅れていることが背景にある。
国は04年、「入院医療中心から地域生活中心へ」の流れを加速させる改革ビジョンを打ち出したが、長期入院患者らの退院はなかなか進まない。
精神科のベッド数は1950年代から70年代にかけて飛躍的に増えた。国が民間の精神科病院の設置を後押ししたためで、患者の隔離、収容が進んだ。
そうした国の施策は正しかったのか。
入院に大きく依存する精神医療について、ハンセン病問題のように国の責任を問う国家賠償請求訴訟を起こそうという動きもある。
そんな国内にあって、人口に対するベッド数、入院患者数、20年以上の長期入院患者数が最も多いのが、鹿児島だ。
(略)
精神疾患は4人に1人は一生に一度経験するとされる身近な病気だ。
誰しも精神障害者になる可能性がある。もしそうなっても、地域で暮らせる、働く場所を得られる共生社会づくりが求められている。
16年4月、役所や事業者に対し障害を理由とした差別的な取り扱いを禁じた障害者差別解消法が施行された。
18年4月には、精神障害者の雇用を促す改正障害者雇用促進法が施行される。
しかし、われわれは今、精神障害のことをどれだけ理解しているだろうか。
偏見や先入観を超え、共生社会を探る旅に出よう。
(略)
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著 者
南日本新聞取材班
豊島 浩一(取材班キャップ)
三宅 太郎
吉松 晃子
右田 雄二

目 次
はじめに―共生社会、探る旅へ
第1部 闇と光の日々
①心の病 ②自死遺族 ③発症 ④再生 ⑤長期入院
⑥社会復帰 ⑦断酒40年 ⑧家族の願い
第2部 精神科密着240時間
①保護入院 ②救急病棟 ③看護 ④施設介護困難
⑤身体拘束 ⑥電気けいれん療法 ⑦治療多様化 ⑧精神鑑定
⑨医療観察法病棟 ⑩超長期入院 ⑪退院の壁
⑫ピアサポーター ⑬隣接地に退院 ⑭変わる施設 ⑮変容
第3部 100年の記憶
①提訴の動き ②私宅監置 ③県内初病院 ④ブーム
⑤収容 ⑥荒療治 ⑦患者作業 ⑧続いた虐待
⑨地域への一歩 ⑩新世紀
第4部 地域の中で
①長期入院越え ②受け皿作り ③元入院患者 ④退院支援
⑤原動力 ⑥住居確保 ⑦サービス過疎 ⑧訪問型診療所
⑨多職種 ⑩第二の人生
第5部 働く+雇う
①初採用 ②就職支援 ③職場定着 ④特例子会社
⑤人材紹介 ⑥福祉的就労 ⑦リワーク ⑧悲劇防げ
第6部 偏見超えて
①変化 ②笑顔の居場所 ③自殺予防教育 ④社協の試み
⑤模擬裁判 ⑥仲間求めて ⑦寄り添うPSW ⑧早期治療の壁
第7部 脱病院の国―イタリア
①公立全廃 ②患者を地域へ ③保健センター
④多様な住居支援 ⑤病気の経験者 ⑥啓発 ⑦日本への提言
障害者生き生き
第8部 笑顔の明日へ
①脱・引きこもり ②生きがい ③仕事復帰 ④職場は元入院先
⑤触れ合い ⑥家族会 ⑦当事者グループ
アンケート編
「偏見感じる」50%―鹿児島県内の精神障害者・家族
地域生活で生きづらさ―高齢家族に重い負担
50年以上の入院33人―最長61年6ヵ月
精神障害者雇用、2割の31社「増やす」―法改正機に採用活発化
資料編
そもそも「精神障害」って?
医療・福祉サービスは?
「統合失調症」を知ろう
うつ病Q&A
精神障害者どう接すれば?
支え合い地域で生きる―共生へ6項目の提言
取材班から
おわりに

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

23
すべての人に読んでほしい本。南日本新聞が鹿児島県内の精神障害者をめぐる長期連載記事をまとめた本なので、どのページからでも読める。精神障害者に対する偏見と差別の歴史。強制的な「措置入院」と「身体拘束」「隔離室」「閉鎖病棟」、入院の必要がないのに長期入院を強いられる「社会的入院」。誰でもかかる可能性がある「国民病」としての精神疾患の理解促進を訴えて、病院から解放して地域の中で暮らせる「地域移行」の先進例としてイタリアの取り組みも詳しく紹介している。2017年度の日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞。2018/02/23

カッパ

22
【◯】【概要】新聞に載っていだのをまとめた作品である。リアルの声がせまる。【感想】非常にリアルだったため辛くもなった。課題もみえた。そういう意味でよかった。2018/04/17

パーポ

16
精神障害を抱えている方、その家族、援助する方々に読んでいただきたい。鹿児島の精神障害者を、様々な視点から取材した新聞の記事をまとめたものです。障害を抱えながら就労につけた人、脱病院のイタリア、精神科の歴史などが分かります。精神を病んだ人々の生の声は、私を大いに勇気付けてくれました。少しずつ、この中の人々のように進んでいけば大丈夫。ときにはバッグしても大丈夫。また少しずつ進もう。この本に出会えてよかった。2020/05/17

チェリーニ

8
前半は精神障害者の体験や日本の精神医療の100年の成り立ちが書いてあり読み進めるのが辛かったです。しかし題号の「精神障害とともに」とある通り共生社会を目指す一人として「読まなければいけない」し「知らなければいけない」と使命感で読み込みました。後半は、先進的なイタリアの現状や希望ある体験が書いてあり良かったです。今、自分が住んでいる街は精神医療がどうなっているのか調べられる範囲内で調べてみます。そして声をあげよう!2018/05/09

人間万事塞翁が馬

7
この本の中で語られる一つ一つのエピソードそれぞれが心にズシンときます。 精神障害は誰にも起こりうるもの、遠い世界の話では決してないこと、そして障害者が暮らしやすい社会は、誰にとっても暮らしやすい社会であること、それを肝に銘じねばと思います。2023/03/02

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