感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
32
小説。遠い昔に見たドラマが気になり、元ネタのこの本を手にした。舞台は、終戦後10年経った東京。サイパンで玉砕した英霊達が、自分たちの目で日本の現状を知るために舞い戻ってくる。悲しみや憎しみを強く感じさせることなく、ちょっとユーモアを交えながら描かれているのは、きっと戦後すぐに書かれたからなのかもしれない。高度経済成長期の中で、国民が忘れかけていた先の戦争を、こういう切り口で思い出させようとしていたのではないか。短いのでさくっと読める。今の日本は、英霊達に誇れる国だろうか。2019/05/19
kiji
5
★4。太平洋戦争中、サイパンで玉砕した英霊達が10年後の日本に幽霊として訪れるというお話。お涙頂戴設定ですが、登場人物が未練がましくないし、ユーモアすら交えて描かれているという驚き。このセンスは水木しげるさんに通じているように思います。苦難の記憶をユーモアに昇華できる稀有な才能、これぞ本当の「大人」ではなかろうかと思う次第2015/10/20
てまり
2
戦後しばらくたってから書かれたからか、激しい怒りはなりをひそめ、苦しかった気持ちを抱きしめるような感じがある。2012/08/14
yuji
2
戦争のお話しはやはり切ない。2011/11/21