内容説明
学びの現場で子どもたちと向き合い、対話と思考を重ねてきた著者が描くもう一度、大人が子どもと出会い直すための本。
目次
1 新しい子どもたち(大人と子どもの「現実」;それぞれのストーリー ほか)
2 大人の葛藤の中身(子どもは簡単に自分を責めてしまう;よそよそしい家族 ほか)
3 子どもと意志(学問と祈り;死にがいを求めて生きている ほか)
4 子どもと言葉(言葉で伝わるという誤解;弱いつながり ほか)
著者等紹介
鳥羽和久[トバカズヒサ]
1976年、福岡県生まれ。学位は文学修士(日本文学・精神分析)。大学院在学中に中学生40名を集めて学習塾を開業。現在は、株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、及び単位制高校「航空高校唐人町」校長として、小中高生(150余名)の学習指導に携わる。教室の1Fには書店「とらきつね」があり、主催する各種イベントの企画や運営、独自商品の開発等を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
89
学習塾を経営しているが故に、親と子どものリアルについて豊富な実例から自分なりの信念を持って全力で取り組んでいる姿勢が文章からあふれ出している。親の言葉による呪いに親自らは気づいておらず、1950年代から急速に日本社会から土が消失し、親の姿をまねることで継承することが、言葉による呪縛に変化することになった故の出来事だと指摘する。大人も子どもの時の勉強に対する悔恨から子供に強制を迫るが、子どもには勉強という本来自然に湧き出る気持ちになる前に強制されることで嫌になり、いい成績がいい人生につながるという単純な構⇒2020/09/14
Willie the Wildcat
81
親も人の子、日々成長。一方、子どもの成長は、親の成長を待ってはくれない。「外在化vs.内在化」を踏まえて、事象ではなく心に向き合う。大前提にあるのが、「ゲームの奴隷vs.ゲームの請負人」。大人への成長過程で、つい忘れてしまう自身の子供時代。大人が自身の心と向き合い、受容することが全ての起点。無論、言うは易く行うは難し也。加えて、親業をそれなりに重ねた今だからこそ、私も少なからず腹落ちできた気がする。ノーマライゼーション/ジェントリフイケーションなど、様々な”ノイズ”を吸収する術を見出すしかない。2021/02/14
にゃおこ
29
最初の方を読んでる時は、子ども側に立って、イマの子供たちの苦しさを代弁する本かな、という感じだったけれど、違いました。今まで親としてやらかしてきた自分に気づかされ吐血しつつも、希望ある教育哲学に、たまたま並行して読んでるエンデさんと同質のものを感じ、温かい心持ちで読了。2021/09/05
pirokichi
20
著者は福岡・唐人町寺子屋塾長。私に子は無いが、職場での上司や同僚とのこと、また家族とのこと等あらゆる人間関係についても示唆に富む内容だった。「疎外と包摂は真逆のようでいて、実は根は同じだ」「共感に対して疑いがない人たちは、言葉がコミュニケーションの道具であることに対しても疑いがないのかもしれない」「私たちはわからないからこそ手探りで相手の声を求めます。相手のことが知りたいと手を合わせて祈ります。(中略)私たちは、その希求のことを愛と呼んでいます」。米津玄師『アイネクライネ』等引用されている作品もよかった。2021/06/11
りんだりん
20
子育てに悩んでいる人、どうやって反抗期の子供と対峙したらいいか迷っている人。そんな人に、頑張りすぎなくていいよ、自然体でいいよ、でも子供の立場にたってこういう考え方をしてみるといいんじゃない?というような、嫌みのないアドバイスがたくさん。自身が経営する塾での子供たちとのさまざまな実体験をもとにした内容だけに真実味と現実味がある。ときどき読み返しながら、子供とともに成長しよう!と思わせてくれる本。★42020/09/03
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- 和書
- 逍遥現代国際政治史の世界