内容説明
和田誠の戯作・贋作大全集。これが遊びの神髄だ!
目次
殺しの手帖(66年3月号・話の特集)
007贋作漫画集(66年4月号・話の特集)
特集ギャラリー(66年7月号・話の特集)
ビートルズ・ギャラリー(66年9月号・話の特集)
兎と亀(66年10月号・話の特集)
雪国・またはノーベル賞をもらいましょう(70年2月号・話の特集)
ふとどき風土記・HAIR(70年1月号・オール讀物)
ふとどき風土記・モンタージュ(70年3月号・オール讀物)
ふとどき風土記・アメリカ映画頑張る(70年7月号・オール讀物)
ふとどき風土記・今昔文士劇大会(70年10月号・オール讀物)〔ほか〕
著者等紹介
和田誠[ワダマコト]
1936年生まれ。グラフィックデザイナー、イラストレーター。1959年多摩美術大学卒業、ライトパブリシティに入社、1968年よりフリー。1965年雑誌「話の特集」にADとして参加。1968年から4年数カ月「週刊サンケイ」の表紙に似顔絵を描く(AD田中一光)。1977年より「週刊文春」の表紙(絵とデザイン)を担当し、現在に至る。出版した書籍は200冊を超える。1974年講談社出版文化賞(ブックデザイン部門)、1993年講談社エッセイ賞、1994年菊池寛賞、1997年毎日デザイン賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
83
これは面白い本。雑誌「話の特集」や「オール讀物」に1960年代後半から1970年代前半に載ったパロデイを紹介。映画ファンでもある著者の和田誠さんらしく映画のパロディから小説家、漫画家のタッチをパロディ化したものに氏の似顔絵を加えとても楽しく出来上がっている。冒頭には「暮らしの手帖」ならぬ「殺しの手帖」があったり、兎と亀を有名な映画監督が撮るとどんな風になるか、小説「雪国」を他の作家が書くとなど、和田誠エッエンスが丸ごと入っている。映画に音楽に小説にと、ほんとうに才人だなあ^^図書館本。2017/05/19
らぱん
58
見て楽しく読んで楽しい。絵画、映画、小説、マンガ…ジャンルを跨いでのパロディで、本人は「もじり」と言っている。彼の似顔絵は相手の特徴を捉えて簡略化し独自の表現をする。似てる似てないは、技巧とは別物でどこをどう使うかがセンスであり才能なのだと思った。文筆家の似顔絵つきの文体模写では川端康成の「雪国」がアレンジされ、映画監督たちの「うさぎとかめ」もある。絵にはダリ風のイヤミやクレー風ハタ坊などから、シャガール風ジョン・レノンや4人のビートルズはルソー風だ。和田誠は面白い人だったのだと今更ながら思った。合掌。↓2019/12/07
南北
57
和田誠の文とイラストで構成された本。冒頭から暮しの手帖をネタに「殺しの手帖」を掲載してくるなどブラックユーモアに満ちている。また川端康成の「雪国」の冒頭をさまざまな作家風にした文があったが、特に池波正太郎風が興味深く感じた。1970年代の世相を反映しているので、現代から見ると古く感じたり、理解できない点もあるとは思うが、こういう「毒」のある本に久しぶりに出会えて楽しい読書体験ができたと思う。2025/03/21
八百
34
記憶の彼方に消え去りそうな私の青春、飽きもせずに小劇場に通った鞄の中にはつかさんの角川文庫とハイライト…どちらも和田さんでしたね。他にもゴールデン洋画劇場や週刊文春、監督作では怪盗ルビィなどなど挙げればきりのない素晴らしい仕事をされました。にも拘らず「ボクのはふざけてやってるもじりに過ぎません」と照れるお人柄が素敵ではないか。40年ぶりの復刻版の本書、川端康成「雪国」のもじりは本好きなら読まずに死ねない最高傑作。図書館ならあります、強力推しです。不世出の天才アーティスト和田誠さんのご冥福をお祈りいたします2019/11/07
阿部義彦
29
この本との出会いは高校時代の常連だった喫茶店です。遊びに行くたびに何度も読み返し、図書館でも借りました。版元が倒産したため絶版で、Amazonでもかなりのプレミアがついて入手困難だったとかは今知りました。ナナロク社さん復刊ありがとう。何よりも今回雪国シリーズの続編として「海外編」そして「日文続編」として、ばななや春樹、椎名さんや井上陽水までがボーナストラックとして書き加えられています。感激です!また倫敦巴里を巡る小冊子も付いての大盤振舞です。今回読み返してのお気に入りは谷岡ヤスジ、オラオラ鼻血ブー!最高2017/01/22