内容説明
本書は、1893年にフランスがシャムを植民地化しようと試みた経緯を綴ったものである。チャオプラヤー(メナム)川河口のパークナム要塞におけるフランス軍艦隊とシャム軍の戦いの経緯が、その衝突に至るまで、そして衝突後の外交交渉において主要な役割を果たした人物自身の言葉で綴られている。フランスとの衝突にも関わらず、シャムは結局、独立を守ることができ、1893年10月3日のフランス・シャム間の条約によりその国土の大半を保持することに成功した。本書は独立と自由をもう少しで失いかけていたシャムが、その危機を乗り越えるに至った内幕を、お雇い外国人顧問の日誌を通じて明らかにしている。
目次
第1章 チュラロンコーン国王付総顧問の日誌
第2章 パークナム事件に至るまでの時期
第3章 1893年7月13日のパークナム危機に至るまでの緊張の高まり
第4章 衝突直後―封鎖と最後通牒
第5章 フランスとの和解交渉
第6章 その翌朝からの日々
第7章 1893年10月のフランスとの条約とその結末
訳者解説 シャムのお雇い外国人ロラン=ジャックマン
著者等紹介
小川秀樹[オガワヒデキ]
岡山大学教授、博士。1956年生まれ。早稲田大学政経学部政治学科卒業。ルーヴァン・カトリック大学国際法比較法研究所に留学(オランダ語系KUL、ベルギー政府給費留学)、横浜国大大学院博士後期課程修了(博士:国際経済法学)。国連ESCAP勤務(在タイ、外務省JPO)、総理府国際平和協力隊員(カンボジア和平選挙国連監視員)、在イスラエル日本大使館専門調査員(パレスチナ政務)、JICA企画調査員(在タイ)・準客員研究員(平和構築研究)、山口県立大学助教授(国際関係論)等を経て2007年より現職。専門分野:国際関係法・国際社会論・地誌学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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