内容説明
きりんはなぜヒトを食べたのか―。コミュニティでの孤独と葛藤、誰の心にも巣食う「明るい暗闇」をゴシック調の油彩画で物語るメルヒェン・ノワール。
著者等紹介
まちゅまゆ[マチュマユ]
1972年北九州市生まれ。1997年より画家として活動を始める。油彩画を中心に銅版画やアッサンブラージュな立体オブジェなども制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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馨
44
大人向けの絵本。薄暗い絵も怖さを感じる。物事は噂を信じすぎたり片方の側からしか見ていなかったら本質を見失ってしまう。もう片方の側からもきちんと見なきゃいけないし、噂に振り回されたらいけないな。きりんの未来が心配になりました。2021/12/26
Roy
35
★★★★+ 境遇であったり過剰な噂であったり悪意であったりで嵌められてしまったきりんは、ヒトをガジガジ食します。その異常な行動にも原因があったのですね。お可哀想に思います。ヒトの中に放り込まれたきりんは、異物だったのかもしれません。為す術がない事も生きてると沢山ありますよね。寂しく思う事もありますよね。でもヒトを食べるのは違うのです。ただ寄り添っていてくれる、家族・恋人・友達がいれば良いのに、と切に願います。そうすればもうヒトを食べなくてすみますから。でも己にも原因はあるのですよ。これも悲しい事実です2009/07/31
芍薬
4
不気味で可愛らしい大好きな絵。まちゅまゆさんの絵はいつもものすごく惹かれます。
真時
4
☆☆☆☆ やっぱりこの作品が好きです。「ヒトを食べた」この表現はとてもショッキングなものです。食べる=他人の心を傷付ける事なのかなと、勝手に解釈してます。傷付けられたら、私だって怒ります。でも、ただ仕返ししても何も良い事はないんだなあと。キレイごとかもしれないけど…。孤独は辛い。きりんが哀れで、この絵本を読むと心臓がぎゅーっとし切なくなります。たまに読みたくなる、くせになる不思議な1冊です。2010/05/03
ね子
3
絵から受ける衝撃に対して、物語の方は抽象性が高い割に言葉が脆弱というか、解釈にもっと幅を持たせるような書き方だったらもっと心に残ったと思う。2010/10/20