内容説明
正しさに太刀打ちできるものなどいない。西洋哲学、現代思想の理論を駆使し、「正しい」という言葉を徹底的に解剖。愚直なまでに「正しさ」の意味を考究した恐ろしく「誠実」な書。
目次
第1章 正しさは力である
第2章 正しさを考えるための基本的構図
第3章 正しさの判定は論理と事実によって行われる
第4章 「正しさ」がゆがむとき
第5章 「正しさ」が負けるとき
第6章 私たちは本質的に矛盾している
第7章 論理と事実の妥当性はコミュニケーションによって支えられる
第8章 真理と正義
第9章 言葉の力
著者等紹介
高田明典[タカダアキノリ]
1961年生まれ。現代思想評論家、フェリス女学院大学教授。1985年早稲田大学教育学部教育学科教育心理学専修卒業、1988年同大学院文学研究科心理学修士課程修了、1996年同理工学研究科電子通信工学専門博士課程単位取得満期退学。専門は現代思想、通信工学、メディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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harass
82
表題そのまんまで、「正しさ」の意味と根拠を論じる。現代思想の援用があるが高校生大学生レベルの内容で平易な書き方。現代人間や社会での「正しさ」とは、「正義」とは、「正しさ」の根拠や誤謬の例など。個人それぞれが正しい場合、どうすればいいのか、「正しさは「判断基準の一つ」でしかない」などといろいろ興味深い論考。個人的に関心のある哲学の認識論で、一気に読んだ。聞きなれぬ出版社の本で入手が難しいのだがぜひおすすめ。道具として活用するための哲学思想として。2017/11/07
ちさと
25
主観は自分自身の考えを「正しくない」と考えることができないし、個別の正しさの生成は全く自由に行われるべき。絶対的な正しさなど無いのだから、社会の全ての成員は可謬主義の前提に従いつつ「ある正しさ」と「別の正しさ」を戦わせる。○○とは何か、といった形而上学的なことが好きだけど、いくら考えても真理に到達するわけでは無い。だからと言って完全に無菌状態にできないから、ドブ川で手術しようともならない。意味のない事なんてないはず。2018/09/22
テツ
13
絶対普遍の「正しさ」などない。そして客観的に観察するという安全な立ち位置から一歩でも近づいてしまい、自分が一瞬でもその「正しさ」を信じてしまったのなら、その力から逃れることはとても難しい。「正しさ」の意味と根拠を深く知った上でだって、対立する双方どちらもが客観的に見てもそれなりに「正しい」という場合だって容易に想像できるわけで。「正しい」「正しくない」の単純な二元論であらゆることをジャッジできるという思い込みが、そもそもの躓きな気もするな。2023/01/03
簾
0
考え方近いなぁ、と思うものの、なんかズレてる気がする。内容云々ではなく考え方が近いのにも関わらずズレてると思うのは中々面白いなと思うわけで。2019/07/28
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