木の音をきく

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  • サイズ B5判/ページ数 45p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784904196090
  • NDC分類 E
  • Cコード C8797

内容説明

父親が亡くなり、遠くの町へ引っ越すことになった。母親の仕事や二人の住むところを探すために、今日は電車に乗って引っ越す町を見にいく。母親が切符を買っているあいだ、少女はカラスを見ながら待っている。木からいっせいにカラスが飛びたつ。少女には、愛するものを失う木の気持ちが痛いほどよくわかる。すると、少女の心に、父親の思い出が次から次へとよみがえってきた。さびしさとは何か?死とは何か?モノローグで語られる少女の孤独、そして、新しい生活への不安と期待。香り高い絵と文章で読者を深い世界へと誘う渾身の作品。フィンランディア・ジュニア賞受賞作。

著者等紹介

ヤロネン,リーッタ[ヤロネン,リーッタ][Jalonen,Riitta]
作家。フィンランドのタンペレ大学で文学とジャーナリズム等を学んだ後、新聞記者になる。1990年より作家活動に専念し、児童書も大人の読み物も執筆している。デビュー作から注目を集め、いくつもの文学賞を受賞。『木の音をきく』は、フィンランディア・ジュニア賞に輝いた

ロウヒ,クリスティーナ[ロウヒ,クリスティーナ][Louhi,Kristiina]
フィランドで人気の絵本作家、イラストレーター。1984年より文と絵の両方を手がける自作絵本の制作に取りかかる。表現力には定評があり、絵本は1993年と2004年の2回にわたり、フィンランドで「最も美しい本」に選ばれた

稲垣美晴[イナガキミハル]
エッセイスト、翻訳家。東京芸術大学卒業後、ヘルシンキ大学に留学。その留学体験を『フィンランド語は猫の言葉』に著し、フィンランド文化紹介の先駆けとなる。東海大学文学部北欧学科で12年間教鞭をとった後、フィンランドに特化した出版社、猫の言葉社を設立。フィンランドの絵本の翻訳多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ

108
私の心の中には、遊び友だちが何人もいるけれど、自分自身とじっくり話をするのは、一人のときが一番うまくいく…。寂しさはどこで感じるのだろう。抱っこされていると、寂しさはだんだん小さくなっていく。過ぎ去ったものは思い出となって、心の中で生き続けている。だから、すぐに思い出せるし、いつでも会えるから…。思い出はリュックに沢山詰めたから、しばらくはもう、新しい思い出はいらない…。木を抱きかかえて、目を閉じて耳を澄ますと、いつもの音が聞こえてくる。お父さんの心臓の音…。木はさようならを伝えるために、風に揺れている。2021/01/13

絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく 

8
お父さんが亡くなり、少女は遠くの町へ引っ越すことになりました。お母さんが電車の切符を買っている間、カラスの飛び立った木の下で、木の音を聴いていると、次から次へとお父さんへの思いがよみがえってきます…。2020/06/01

さいちゃん

5
読み友ぽてとさんのレビューが素敵で図書館から借りる。市に所蔵なく他市図書館から借り受けていただいた。 父親を亡くした少女の寂しい思いはたくさんのカラスに去られた木の寂しさをくみ取る。次々とよみがえる父親の思い出に切なさがじ~んと伝わって来るが、締めくくりが新しい生活への期待となっているのでほっと救われた感じ。 丁寧に描かれている絵はタッチ、色彩がとてもふくよかで品の良い香りが漂ってきた。2018/08/22

kambashig

2
お父さんを亡くし、悲しみながらも現実を受け入れようとしている女の子の思いが語られる絵本。ナイーブで詩的。2014/04/27

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