内容説明
1950年代、西ドイツ。造船業を営む旧家の家長が、死を迎える。後継者選びに集まる家族たちと、明るみに出る罪、そして裁き―ナチス・ドイツに加担した者たちに仮託し、状況における責任を問い、自由と倫理の相克を描き出す。実存を探究し状況に挑んだサルトル最後の戯曲。
著者等紹介
サルトル,ジャン=ポール[サルトル,ジャン=ポール] [Sartre,Jean‐Paul]
フランスの哲学者、小説家、劇作家、批評家。20世紀を代表する思想家の一人であり、実存主義哲学を発展させた。主著『存在と無』において現象学の手法を用い、存在の本質を探求する。その哲学は文学や演劇を通じて表現され、代表作に小説『嘔吐』や戯曲『出口なし』がある。また「アンガジュマン」の理念を提唱し、政治的活動にも積極的に参加、社会的不正や戦争に反対する姿勢を貫いた。1964年にノーベル文学賞を受賞するも辞退。生涯を通じて人間の自由と自己実現の可能性を問い続け、後世に多大な影響を与える
岩切正一郎[イワキリショウイチロウ]
国際基督教大学・学長。専門はフランス詩・演劇。多くの舞台で翻訳を担当。第十五回湯浅芳子賞(戯曲翻訳部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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