記憶の中のソ連―中央アジアの人々の生きた社会主義時代

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  • サイズ A5判/ページ数 270p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784904074169
  • NDC分類 238.07
  • Cコード C3031

内容説明

帝政ロシアの植民地であった中央アジアは、1917年のロシア革命による社会主義化と、1991年のソ連解体にともなう独立国家の誕生という、世界でも例をみない二つの大規模な変革を経験した。本書は、ソ連の誕生から崩壊に至る70年間の歴史を、ウズベキスタンの人びとに焦点をあて、人びとの記憶の観点から考察したものである。彼らが語る「記憶の中のソ連」とはどのような世界なのだろうか。直接インタビューにより、人びとの生の声を掘り起こした労作。

目次

序章
第1章 近現代史の概観
第2章 スターリン時代におけるソビエト化と一般国民の生活
第3章 第二次世界大戦
第4章 スターリンの死と時代の終わり
第5章 停滞の時代か、黄金時代か
第6章 ソ連時代のコミュニティ観―マハッラの事例から
第7章 宗教と社会
第8章 ソビエト国民の諸相:民族と言語
第9章 独立後に現れたノスタルジー

著者等紹介

ダダバエフ,ティムール[ダダバエフ,ティムール][Dadabaev,Timur]
1975年ウズベキスタン、タシケント生まれ。筑波大学人文社会科学研究科准教授、東京大学人文社会研究科付属次世代人文学開発センター客員准教授。コロンビア大学ハリマン・インスティチュート客員研究員(日本学術振興会優秀若手研究者海外派遣事業)(2010年)、ケンブリッジ大学(東京財団教員海外派遣プログラム)客員教員(2006‐2007年)、オックスフォード・イスラーム研究センター(OCIS)Al‐Bukhariフェロー(2006年)、東京大学東洋文化研究所助教授(2004‐2006年)、国立民族学博物館・日本学術振興会外国人特別研究員(2002‐2004年)、国連大学秋野豊基金フェロー(2004‐2005年)、UNESCO‐小渕恵三基金フェロー(2002‐2003年)を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Toska

7
オーラルヒストリーの手法に基づきソ連史を振り返る。舞台がロシアではなくウズベキスタンというのが肝。著者もウズベク人だが日本に拠点を置き、本書は邦訳ではなく日本語で書かれた。註にはウズベク・露・英・日と各国語の参考文献が並ぶ才人である。ソ連時代を回顧する多くの貴重な談話を紹介しつつも、「記憶は裏切ることも騙すこともできる」という陥穽を忘れず、慎重な叙述を心がけている点を評価したい。良書。2023/11/08

おおた

3
ソ連とタイトルされているけれども、ウズベキスタンの人々による証言を基にした社会主義時代の検証。範囲はスターリン時代からソ連崩壊直前くらいをカバーするため、ウズベキスタンの民衆の生の声が読めるのは貴重だと思う。マハッラという自発的なコミュニティを社会主義政権が公式化したために、役人による福祉事業となってしまい、賄賂が横行して本当に困っている人たちにサービスが行き渡らなくなってしまったというのが興味深い。また、当時の人はモノへの執着・収集欲がないと感じる。2012/10/21

ありさと

1
現在の不満によって過去は美化される。そもそも庶民は日常に関わること以外政治になんて興味はない。従来の文献型の歴史記述を見直し一般のひとびとの視点から描き直すことは有意義だが、記憶の扱いには文献以上の難しさがある。これ読んでるとソ連がユートピアに見えてくる瞬間もしばしば。しかしウズベクの社会は日本とも似ているように見えるなあ。アジア的ということか。いまどきの昭和賛美江戸賛美も根っこは同じかな。2015/01/14

T_Galnel

0
あまりに読むのに時間がかかりすぎた。オーラルヒストリーの一形態と捉えればいいのだろうか。2011/06/08

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