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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
FK
3
ここでの命題は、私なりに言い換えたら日本人である私も含め、アジア人=非西洋人が、西洋の音楽である「クラシック」を理解できるのか・聴きうるのか、ということになる。この発想は、たとえば邦楽は日本人にはすぐに理解できるだろうが、非日本人には無理だろう。西洋人たちには無理だろう、という考え方である。その逆が西洋音楽を私たちには理解も、まして演奏などできるはずがないという発想。裏腹なのだ。そう言われるとそうなんだろう、と納得してしまう私自身がいる。でも演奏はできないけれど、聴いて楽しむことは私にもできている。2018/09/27
秋津
1
「アジア人」音楽家の活躍に至る経緯、音楽と人種的・文化的アイデンティティとの関わりなどについて考察した一冊。スズキ・メソードの海外進出や西洋音楽のナショナリズム運動への利用などのように、西洋音楽が一方的にアジアへ流入するばかりではなかったことや、音楽家たちへの「アジア人」としての自覚の有無、そのキャリアや音楽活動への影響などの聴き取りを通じて音楽の社会的・文化的位置付けの考察を行われています。音楽が人類普遍のもの、またはある地域固有のもの、という単純な観方から離れて考えるよいきっかけとなる本でした。2017/01/04
luxæterna.
0
卒論のために読み始めた本です。 音楽をやっていた帰国子女として、押し付けられる偏見などに関しても、音楽の世界では人種的な差別を感じないという点でも共感しました。
ありさと
0
アメリカで活動するアジア人・アジア系アメリカ人クラシック音楽家へのインタビューを元に、アジアと西洋クラシック音楽の関係の歴史から、現代の状況まで、彼等とその音楽に対してなされる社会的意味づけや、当人たちの文化的・民族的・性的アイデンティティを考察している。アメリカの場合はヨーロッパよりは人種差別に敏感というか、人種の違いに対して大らかなところはあるように見える。あんまり人種差別の経験はないよと言うひとが多いのが印象的。スズキ・メソードってそんなにグローバルだったのねーとか、知らないことがいっぱいだ。2015/02/19
satooko
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書評を読んで入手。なるほど。2014/01/16