内容説明
世界中の無法地帯、紛争地域を渡り歩いてきた死体写真家・釣崎清隆が自らの目で見た原子力戦争最前線。剥き出しの3号機原子炉への「特攻」、「エアサーベイ」など、知られざる福島第一原発収束作業の実態!!そして、ゴールドラッシュならぬ放射能ラッシュに沸く福島に、一攫千金を夢見て群がる男達の群像劇。
目次
1Fカサンドラ・クロス/車両サーベイ(花園の秘密;福島原子力災害 ほか)
外人部隊(山水館物語;外人部隊の飯場ユートピア ほか)
汚染地帯(パンドラの箱;危険手当の行方 ほか)
1F宇宙戦争/ラジコン(ラジコン;1F最前線 ほか)
戦争と名誉(殉職者の名誉;IAEAのお通り ほか)
著者等紹介
釣崎清隆[ツリサキキヨタカ]
昭和41年富山県生まれ。写真家・映画監督・文筆家。慶應義塾大学文学部卒。学生時代から映画制作、文筆活動を開始し、AV監督を経て平成6年からは写真家としても活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
21
タイトルが気になって手にした本。「東京から200㎞しか離れていない首都圏産業拠点が真空の荒れ地と化し、善意に従って推進される事実上の棄民化という国民の残虐な仕打ちに福島県民がいかに傷付いているか、どうか顧み、思いをはせてほしい。」という文が切実だ。福島原子力災害現場で常に放射線量を測りながら命懸けの作業をする・・・それを原子力戦争と言い、時には捨て身の「特攻」も辞さない。東電の姿勢に批判を向けながらも、これまでの処理に一定の評価をしている。しかし、一番の酷評は政府に対するもの。2019/07/22
長岡紅蓮
9
死体写真家釣崎清隆さんが、平成二五年から2年弱に渡って福島の原発作業員として従事した体験を綴ったノンフィクションです。福島原発に関して知っていたのはマスコミで報道される情報だけだったので、実際の現場で作業した人の話を読めるのは、とても貴重。日本にもかかわらず、原発を取り巻く人たちによって無法地帯と化したかのような様子が災害以上におぞましい。特に「外人部隊」の章が印象的でした。2019/01/09
a.k.a.Jay-V
4
右も左も関係ないと帯に書かれている通り著者による視座と経験によるルポタージュ。左といっても左翼、リベラル、極左、反日、右といっても、右翼、保守、排外主義、など細分化される現在、著者は本当の意味での憂国なのかもしれない。現場作業は詳細に書かれているにも関わらず機械一つ想像出来ない自分がいる。あゝ!2017/05/01
シミバチョフ
3
世界中の無法地帯、紛争地域を取材してきた釣崎清隆氏が、福島原子力災害の現場で二年弱に渡り、一兵卒として収束作業に体を張った記録。著者がネット検索のサイトを通じて就労した会社は紛れもないブラック会社だった。ブラック故に、日本各地よりそこに集まった人材は一筋縄ではいかない者ばかり。LA進出の旅費を稼ぎにきたラッパー、反原発カルトのサイコパス、指名手配中の逃亡犯、自分のことを「ババア」と呼ばせる以外の呼称を許さない元レディース等々、ユーモアたっぷりに書かれた【外人部隊の章】はかなり面白い。 2017/05/13
にゃおまる
2
言葉が難しかった(・・;)2019/05/18




