内容説明
日本のアニメ産業を支えるアニメーターの労働実態は過酷であることが知られるが、なぜ彼らはそうした労働を受容するのか。アニメーターへのインタビューの社会学的分析から、彼らがふさわしいと見なすあり方は既存の独創性を発揮する「クリエーター」ではなく、工程を遵守する「職人」であり、その「職人」としての実力観から一見過酷な労働の受容が可能になっていること、それでもなお不合理とみなされる事態があることを明らかにした。
目次
序章 本書の問題設定と構成
第1章 アニメーターという対象
第2章 働きすぎという現象の捉え方
第3章 データと方法―規範の記述とエスノメソドロジー
第4章 アニメーターの仕事についてのエスノグラフィックな前提
第5章 アニメーターの仕事を形作る二つの職業規範
第6章 規範の利用と独創性の発揮
第7章 規範の利用と労働条件の受容
第8章 アニメーターにとっての労働問題
終章 本研究の意義と課題
著者等紹介
松永伸太朗[マツナガシンタロウ]
1990年生まれ。2015年に一橋大学大学院社会学研究科修士課程を修了。2017年現在同学院博士後期課程に在学中。専門は労働社会学・経済社会学・エスノメソドロジー。2015年に修士論文『アニメーターの労働問題と職業規範:職人的規範とクリエーター的規範がもたらす仕事の論理と労働条件の受容』で第13回日本修士論文賞を受賞。博士課程ではIT企業のワークプレイス研究にも関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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