アニメーターの社会学―職業規範と労働問題

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  • サイズ A5判/ページ数 249p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784903866413
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C3079

内容説明

日本のアニメ産業を支えるアニメーターの労働実態は過酷であることが知られるが、なぜ彼らはそうした労働を受容するのか。アニメーターへのインタビューの社会学的分析から、彼らがふさわしいと見なすあり方は既存の独創性を発揮する「クリエーター」ではなく、工程を遵守する「職人」であり、その「職人」としての実力観から一見過酷な労働の受容が可能になっていること、それでもなお不合理とみなされる事態があることを明らかにした。

目次

序章 本書の問題設定と構成
第1章 アニメーターという対象
第2章 働きすぎという現象の捉え方
第3章 データと方法―規範の記述とエスノメソドロジー
第4章 アニメーターの仕事についてのエスノグラフィックな前提
第5章 アニメーターの仕事を形作る二つの職業規範
第6章 規範の利用と独創性の発揮
第7章 規範の利用と労働条件の受容
第8章 アニメーターにとっての労働問題
終章 本研究の意義と課題

著者等紹介

松永伸太朗[マツナガシンタロウ]
1990年生まれ。2015年に一橋大学大学院社会学研究科修士課程を修了。2017年現在同学院博士後期課程に在学中。専門は労働社会学・経済社会学・エスノメソドロジー。2015年に修士論文『アニメーターの労働問題と職業規範:職人的規範とクリエーター的規範がもたらす仕事の論理と労働条件の受容』で第13回日本修士論文賞を受賞。博士課程ではIT企業のワークプレイス研究にも関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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富士さん

2
アニメーターがクリエーター的規範ではなく、職人的規範に従っていることを発見した著者が、それを会話分析を通じて明らかにしようとしたもの。しかしアニメーターには昔から職人性尊重の風が強く指摘されており、また、本書の調査でも職人的規範の中にクリエーター的な価値観があったり、実際にはクリエーターとして行動していることが指摘されているので、改めて職人性を強調する意味があるのか疑問でした。ただ、参与観察への批判に基づく高い反証可能性とアニメ産業研究への新たな方法の提示は貴重で、論文としてはさすがな出来だと思います。2018/02/11

のれん

1
アニメーターという職業はアニメの絵の動きを作り出すクリエイターでもあるが、監督などのイメージを再現する職人であるともいう。 そういった、金より質を優先する「職人魂」が幾多の天才と今の労働環境を産んだと考えると、中々根が深い問題だなぁ……2017/12/07

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