感想・レビュー
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ヨーロッパで19世紀列強の帝国主義的な思惑から美術館や美術アカデミーへと流通し、その後モダニズムの潮流と共に徐々に排斥されていった石膏像。それが、19世紀末の日本で西洋画と共に受容されていき、20世紀には何故かモダニズムとの混淆文化として普及していく過程が、謎の石膏像「パジャント」の成り立ちをとっかかりに記述されていて大変興味深かった。美術予備校の章は、以前ネット上でも拝読したが、そちらも面白かった。東京藝大の大型石膏が元々ボストン美術館所蔵だったのも自分にとっては意外な発見だった。2020/08/27