内容説明
本書では「人生と芸術」「愛と苦悩」「生と死」というテーマのもと、太宰が命を賭して遺した作品の中にちりばめられたその人生観を紹介します。そこから、人間を、そして自分を冷徹なまでに見つめ続けた太宰が生涯を通じて追求し続けた「愛」の形が浮かび上がってくるはずです。
目次
人生と芸術
愛と苦悩
生と死
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおりんご
53
いろいろな作品から「人生と芸術」「愛と苦悩」「生と死」の3つのテーマに分けて、太宰の言葉を集めたもの。気に入った言葉は、「ただ、好きなのですそれで、いいではありませんか。純粋な愛情とは、そんなものです。」(ろまん燈籠)他にも気になるものが出てきたので、原作にもチャレンジしようと思います。2015/01/12
まめ@暫くイン率落ちます
11
今日神保町にて買った本です。途中の喫茶店にて読了。太宰治という人間の記す言葉はとても作家らしく情緒で溢れていました。P93「ゆきあたりばったりの万人を、ことごとく愛しているという事は、誰をも、愛していないという事だ。」P190「死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。」絶望の中に希望を見てしまう人間らしさ。2017/06/10
Marilyn
3
太宰治の言葉集。以下抜粋【私のほっしていたもの、全世界ではなかった。百年の名声でもなかった。タンポポの花一輪の信頼が欲しくて、チサの葉いちまいのなぐさめが欲しくて一生を棒に振った。】【その人と、面と向かって言えないことは、かげでも言うな】【噂というものは、こちらでもみ消そうとするとかえって拡がり、こちらから逆に大いに扇いでやると興ざめして自然と消えてしまうものでございます】【自分の苦悩に狂いすぎて他の人もまた精一杯で生きているのだという当然の事実に気附かなかった】昔も今も人の悩みの根元は変わらないのだな。2020/08/24
多田幾多
3
太宰治は死んでいないが、言葉は、小説は、今なお私たちの心をつかんで離さない。本当に、ずるい人だ。2013/03/30
まさお
2
彼の素直さが言葉に表現されて詰まっていると感じました。2015/06/27
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