内容説明
ホーキング博士が遺した独創的宇宙論の原点。時空の本質に迫る数学的宇宙論の金字塔。
目次
第1章 重力の役割
第2章 微分幾何
第3章 一般相対論
第4章 曲率の物理的意義
第5章 厳密解
第6章 因果構造
第7章 一般相対論におけるCauchy問題
第8章 時空特異点
第9章 重力崩壊とブラックホール
第10章 宇宙の初期特異点
著者等紹介
富岡竜太[トミオカリュウタ]
1974年神奈川県生まれ。1998年東京理科大学理学部応用数学科卒業。2000年筑波大学大学院数学研究科博士前期課程中途退学
鵜沼豊[ウヌマユタカ]
1954年秋田県生まれ。1978年東京大学大学院工学系研究科工業化学専門課程(物性研究所極限レーザー部門)進学。1984年工学博士取得。1984年シャープ株式会社入社研究開発部門勤務。2015年特許庁特許審査調査員
D.ヤンカルロス・J,クストディオ[D.ヤンカルロスJ,クストディオ] [De La Cruz Yancarlos Josue,Custodio]
1992年ペルー共和国リマ生まれ。2015年慶應義塾大学環境情報学部環境情報学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
8
原題The large scale structure of space-time。large scale(大域)とはニュートン力学で測れる太陽系のような線形的時空でなく、強大な重力によって光が湾曲する太陽系外の時空を含む。本書はペンローズと共に証明した特異点定理と特異点を含んだ時空を、曲線の交点を求める共形変換(ペンローズ図)をベースとし、ベクトルを拡張したテンソル解析を用いて物理学的に描いていく。その際、ミンコフスキー時空(4次元)に描かれるのは、古典的と呼ばれる一般相対性理論の範囲での特異点である。2020/01/07
LvzaB
1
サッと流し読み。内容が難し過ぎて数式のフォローはおろか、理解すら覚束ない。本書は一般相対論を基礎において、時空の構造や星の崩壊、特異点の性質などを述べていく教科書。一般書でよく見かける『燃え尽きた星はあまりに質量が(重力が)大きいと、量子力学の排他律による圧力でも支えられなくなって崩壊する』といったことも、本書では定量的に議論されていて『なるほど、この問題はこう議論するのか』と感心した。なお、議論の中身はあまり分かっていない模様。いつか再読して、本書の内容をしっかりと理解したいところ。2020/01/03