感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
12
日本人には習得が極めて困難とされる冠詞の本。なかなかお目にかかれない1冊。基礎編と上級編の2部構成。全体を通して3つのキーワード「物」「形」「輪郭」を使い、豊富な例文を揃えて分かりやすく解説。学校英語では教えない限定詞/決定詞(determiner)の概念等も紹介。著者の独特なアプローチは理解促進となったが、所々理由づけに無理がある。最終的には実際の英語使用で定着化及び内在化していくしかない。その為の習得に向けた大きな一歩。時間をおいて再読必須。習得したら英語を通して見る景色はもっと鮮明になるはず。2020/01/25
Saiid al-Halawi
9
どの冠詞を宛てるかは話者がその単語をどう捉えてるかによる。最近だとgoogleみたいな単語でも文明の利器、発明としての語用も余裕であるんだろうな。2014/05/21
makimakimasa
8
数ヶ月前から毎日仕事で英文メールを打っており、元英語講師の妻の本棚から拝借。adviceやinfomationやluckが不可算って忘れてた。数えるならa piece ofにしないと。百獣の王はThe lionもA lionもLionsも全部正解。特にtheを付けると他の動物との対置が際立つ。We elected him captain(役割はリンカク無し)、My family are all early risers(各メンバーを思い描く)、…他にも分かり易い説明でローコンテクストな英語の理解が深まる。2020/10/31
Timothy
7
a/theで迷うことはあまりないが、いつ無冠詞になる(していい)のかがよく分からず、とりあえずtheをつけている現状をなんとかしたくて本書を手に取った。やはり感覚の問題なので、答えを見つけて解決した!と言える類のものではないが、理解は多少進んだと思う。2022/02/23
またの名
6
民主主義democracyの語ですら冠詞aを付ければそれを具体化した形ある存在として民主主義国家という意味に変わる、日本人泣かせの文法規則。機械的に辞書が示す意味翻訳を覚えるのではなく、各種の冠詞を見ただけで含意されたイメージを思い浮かべて区別できる境地を目指し説明する本。身体に現れた個々の病の症状は具体的な形を持つのでaが付くのに対し、具体的な輪郭を欠き無症状でもあり得る病名は症状を通してのみその背後に想定されるので無冠詞になり、流行中の病は特定する意味でtheを伴う等、病気と文明の関係さえ見えてくる。2023/07/29