感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
99
17歳の若さで自らの命を絶った女性の詩集。否定と肯定の間で揺れ動く繊細な心の動きが切ない。海が好きな人だったようで、同じように海の好きな私は海の詩を共感しながら読んだ。恋愛に対する潔癖な考え方が印象的で昭和を感じた。詩を書くことに対する純粋な想いが素晴らしい。詩に慰められたと書いた詩があるのだが、詩によって彼女の命が救われなかったのが非常に残念。2014/08/22
ハル
1
泣きそうになるほど心が揺れ動いた。自分と通ずる部分があるからだろうか。 自然を見て。感じて。音を聞いて。身を委ねてみたくなる程の、大いなるものへの焦がれ。何度自分も経験しただろうか。共感できる人にはとても生々しくて、惹かれて、あわよくば自分もと考えてしまう。2023/07/12
東京湾
1
64年の冬、湘南海岸に詩と日記の記されたノートを遺して自殺した女子高生・高岡和子の遺稿集。中学時代より綴られた心象詩には、純真な詩情と繊細な感性が時に煌めき時に軋みながら発揮されている。日記から伝わる早熟な才能故の苦悩は痛切だった。2022/03/12