内容説明
多くのメディアが迫れなかった同和利権に絡む不正事件に、地方新聞の記者たちが動き始めた。その「特報」は、やがて県議会による百条委の設置、そして県警と地検の捜査につながってゆく。高知新聞取材班が、徹底した取材で巨額の闇融資事件を暴いた衝撃の一冊。新聞協会賞受賞作。
目次
新書化に寄せて
プロローグ
発端
百条委
伏線
捜査
同和行政
公判
エピローグ
あとがき
資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gram1126
1
★★★2016/01/18
こうさたき
0
真実は小説より奇なり、とはまさにこのこと。根深く、高知県だけの話ではないと思う。非常に面白いが、世間に知られていないのは残念。山崎豊子あたりがものテーマを題材にして小説化すれば非常に面白いストーリーできそう。しかし、同和問題のむつかしさを再度認識。2013/05/07
けじ
0
行政と同和団体に関する問題は他にもいくつか発覚しているが、それはほんの氷山の一角だろう。地方における大きな権力機関である、県と解放同盟を追求した高知新聞の勇気は賞賛に値する。他のマスコミも『利益のために仕事をするのではなく、矜持で仕事をする』という姿勢を示して欲しい。2012/09/19
jntdsn13
0
高知県の、暴力団を背景に持つ紡績会社に対する高度化事業と称しての(及びそれと軌を一にする土佐闘犬センターに対する)闇融資の実態を追った本。かつての保守分裂に際し、行政の裁量という解釈を用い、強引にねじ込んだ直貸しが直せずズルズル続いて露見した流れを描写する。年度をまたぐと議会がうるさいため、四国銀行を通して1日だけ融資させて逃げるというのは夕張の事例をも思い起こさせる(夕張は特別会計であったが)。2022/07/15
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