内容説明
障害・障害者という存在、あるいは、ネガティヴに意味づけられることの多い身体的特徴とのかかわりにおいて、マンガ、アニメ、写真、音楽、小説、絵画などの文化事象・表現に、深く鋭く突っ込むこれぞ注目の論集。
目次
序 文化と表現の障害学にむけて
第1章 「真実の感動物語」を読み解く
第2章 アルビノ萌えの「後ろめたさ」からの逃走
第3章 「異形」から「美」へ―ポジティヴ・エクスポージャーの試み
第4章 児童文学にみる障害者観―「ピノキオ」問題は克服したか?
第5章 「改造人間」、その変容とその「幸福」について
第6章 ラッパーたちのフリーク・ショー―その身体は、何を物語っているか
第7章 自己表現の障害学―“臨生”する表現活動
第8章 手話音楽のこれまでとこれから
第9章 萎えツボの地雷原から隣へ逃れて
第10章 岩と違和をめぐるモノローグ―ロックを聴くこと、障害者であること
著者等紹介
倉本智明[クラモトトモアキ]
1963年生まれ。大阪府立大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、東京大学大学院経済学研究科特任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
2
障害学の立場から、世の様々な表現物について触れた考察を集めた内容。かなり広範囲(マンガやヒップホップなど)な内容を扱い、著者によってその語り口も様々なので、読む人によって引っかかる部分はそれぞれかもしれない。個人的には「異形」の身体を肯定的にとらえ返すポジティヴ・エクスポージャーというアプローチに触れた第3章と、自らの身体を改造していくことでフリーク化していくラッパーたについての第6章が面白く、これらについてはもっと長い考察を読んでみたいと思った。2013/01/14
桜花火
0
障害学を音楽や漫画などの媒体を通して語っている話(論文)が10章入っています。話によってはとても読みづらい;…のは、多分通している媒体を知っているかいないかというのが大きいんだと思います。先生に借りて読んだのですが、部分部分はコピーして手元に置いておきたいです。…いや、時間がたったら共感できる話も変わってくるかもなので、再読してみるのも面白いかもしれません。とりあえず、お疲れ様でした自分w2011/01/05