内容説明
SDP編集部がセレクトした、著者の代表的な詩集を収録。表題ほか「青猫」収録。
目次
月に吠える
青猫
著者等紹介
萩原朔太郎[ハギワラサクタロウ]
1886‐1942。群馬県出身。中学時代から短歌に親しみ、のちに北原白秋に師事。処女詩集「月に吠える」で一躍有名になる。この作品で、それまでの定型詩とは異なる口語自由詩を確立させ、現代詩人にも多大な影響を与えたと言われている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まおまお
7
序にある詩の表現の目的、真髄の文章がとても良かった。「詩とは感情の神経をつかんだものである」などなど。酒の香りのような「におい」なのかな。それから表紙にインパクトがありすぎるので、申しわけないけど、内容とそぐわない……。2016/11/15
ろびん
2
ふりがながふってあったり、とても読みやすくて良いです。表紙と裏表紙がとても煩い事さえ無ければ個人的ベストかもしれないですね。2018/05/27
英子
2
“私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけにしてしまいたい。 影が、永久に私のあとを追って来ないように。ー 萩原朔太郎 ” これは序文の一節ですが、私は、じぶんの心が見えなくなった時に、つい、この詩集の頁を繰り返し開いてしまいます。 詩集ですので、細かな解説は難しいですが、 「闇を手放せないまま、光を求める」そういう印象を感じた詩集です。 読み手を負の感情まで、徹底的に引き摺り込んでのち、含蓄にとんだ奥深い表現力で、それを「美」にまで昇華させた朔太郎の感性が光る一冊です。2014/10/01
星野
2
個人的、岡田将生×近代文学週間その一。萩原朔太郎の詩は初めて読んだけど・・・うん、かなり好みでした!哲学的情緒、観念に宿る静謐、言葉の微細な調。酒精中毒者の死、蛙の死、およぐひと、春の実体、その手は菓子である、春の感情、恐ろしく憂鬱なる、自然の背後に隠れている、が特に好き。自然の描き方もいい。‘詩とは感情の神経をつかんだものである。生きて働く心理学である。’2009/12/05
なめこ
0
北原白秋の序文つき!だったので、購入。金属質で尖鋭なイメージが次々と折り重なってきて息つく暇もない。が、その一方でぶくぶくと膨れ上がり、腐臭に包まれたなまぬるい春の夜のイメージも度々現れる。『月に吠えらんねえ』を知ってから朔太郎の詩を読んだのはこれがはじめてだったので、今までとはちがう楽しみ方ができた。2015/03/08