内容説明
設立したわずか4年でジェネンテックはウォール街の寵児となり、株式公開のときは取引開始後の嵐のような数分間で株価は35ドルから89ドルに急騰し3800万ドル以上の資金を調達した。これは株式市場の歴史上最大の収益となり、彼らは億万長者になった。本書は生物医学的な研究やビジネス文化の新しいモデルを考案した企業の、独創性にみちた勇気ある努力の数年間を詳細に追ったノンフィクションである。
目次
第1章 組み換えDNA技術の発明
第2章 ジェネンテックの設立
第3章 組み換え技術の証明
第4章 ヒトインスリン:ジェネンテックの成功
第5章 ヒト成長ホルモン:商業的な未来を築くまで
第6章 ウォール街へのデビュー
著者等紹介
ヒューズ,サリー・スミス[ヒューズ,サリースミス] [Hughes,Sally Smith]
カリフォルニア大学バークレー校バンクロフト図書館の科学史家。生物科学、生物医学、及びバイオテクノロジーに関する幅広く詳細な歴史的資料であるオーラルヒストリーの創設者でもある
千葉啓恵[チバヒロエ]
東北大学大学院農学研究科修士課程修了。化学会社研究所勤務を経て、現在は生物科学・自然科学関連の翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海野藻屑
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工学の世界には必然しかない。2017/05/06
hidek
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1970年代に生まれたコーエンとボイヤーによるDNAクローニング法。この技術の将来性に気づいたベンチャー投資家のスワンソンは、ボイヤーと共にジェネンテックを立ち上げる。スワンソンは実績も設備もない中で組み替えインスリンの製造を公言し、資金調達や技術提携に奔走した。明確な目標の下に集まった専門家たちから成る研究者たちのチームワークは、個人業績が目標になりがちな大学研究や新技術に及び腰の製薬会社にスピードで打ち勝ち、バイオテクノロジー産業の先駆者としての株式市場に上場を果たす。エネルギー溢れる新興企業の創世記2013/09/18
秤谷隼世
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まとまった時間が取れずに読むのに2週間近くかかってしまった。。やっぱりジェネンテックの勢いたるやすごかったんだなぁって思う。最初期の数年間についてこと細かく描写してくれているのだけれど、これがバイオベンチャーのはじまりかぁという感じ。アントレプレナー精神とアカデミック精神の融合した世界中の英知が集まるこの場所、一度は行ってみたい。2018/07/24