シュンペーター伝―革新による経済発展の預言者の生涯

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 609,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903532448
  • NDC分類 289.3
  • Cコード C0030

内容説明

本書はシュンペーターの数少ないが特異な伝記である。狭い意味でのシュンペーターの経済思想を扱うものではなく、波乱に満ちた人生と、様々な分野を統合して資本主義を徹底的に追求し理解しようとするシュンペーターの正にすさまじい生き方を描いている。本書の特徴は、シュンペーターが資本主義の本質を革新(イノベーション)としてとらえ、終生その研究に没頭し多くの大著を著したその過程と、その間に彼を支え続けた女性や同僚達について詳しく書かれていることである。また、著者はシュンペーター自身だけでなく親しかった人達の日記や手紙、写真等を豊富に引用して、シュンペーターが生きた時代をリアリティをもって詳細に描き出している。著者は、たいへんな知日家だった最後の妻のエリザベスが、アメリカによる対日経済制裁は日本の戦線を拡大すること(真珠湾攻撃)を予告し、そのためFBIからスパイとしてつけねらわれたことも取り上げている。シュンペーターの資本主義の捉え方は、戦後の日本の経済発展、今日のアメリカ資本主義の停滞と没落、中国など新興国の発展、そして今後の日本の方向を考える上で役立つだろう。著者のトーマス K.マクロウは1985年に歴史部門でピューリツアー賞を受賞している。また原著書はヘイグリー経営史最優秀出版賞、ジョセフ・J・シュペングラー経済学史賞、国際シュンペーター学会賞を受賞した好著である。

目次

第1部 恐るべき子供(一八八三‐一九二六):革新と経済学(シュンペーターとその業績;故郷を離れる;性格の形成 ほか)
第2部 成人期(一九二六‐一九三九):資本主義と社会(シュンペーターは何を学んだか?;知性の新たな目標;政策と企業家精神 ほか)
第3部 賢人(一九三九‐一九五〇):革新、資本主義、歴史(どのように、なぜ歴史と取り組んだのか;景気循環、企業史;ヨーロッパからの手紙 ほか)

著者等紹介

マクロウ,トーマス・K.[マクロウ,トーマスK.][McCraw,Thomas K.]
ハーバードビジネススクールで、1984‐86年にかけて研究部長を務めた。1985年にProphets of Regulation:Charles Francis Adams,Louis D.Brandeis,James M.Landis,Alfred E.Kahnでピューリッツァー賞(歴史部門)を受賞した。『シュンペーター伝―革新による経済発展の預言者の生涯』ではヘイグリー経営史最優秀出版賞、ジョセフ・J・シュペングラー経済学史賞、国際シュンペーター学会賞を次々に獲得した

八木紀一郎[ヤギキイチロウ]
1947年福岡県生まれ。東京大学で社会学、古屋大学大学院で経済学を学ぶ。岡山大学助教授、京都大学経済学部教授をへて、現職、摂南大学経済学部長。京都大学名誉教授、VCASIフェロウ。経済理論学会、経済学史学会、進化経済学会に所属

田村勝省[タムラカツヨシ]
1949年生まれ。東京外国語大学および東京都立大学卒業。旧東京銀行で調査部、ロンドン支店、ニューヨーク支店などを経て、関東学園大学教授、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

13
心ある中小企業経営者から、何度「創造的破壊」という言葉を聞いたか分かりません。一方シュンペータの人となり、業績、著書を知っている人は殆どいません。言葉に鼓舞された人が大半です。しかし不確実、不透明な現代だからこそ、彼が語った資本主義精神の本質を知るべきではと思い、私はこの本にチャレンジすることにしました。大著です。大いに刺激を受けました。訳文もこなれています。結論。彼の生涯は、丹念に精密に経済史と経済学を追いかけることでした。そして、経済発展の根本は革新し続ける人間にあるとするものでした。深く同意します。2017/01/15

メルセ・ひすい

2
14-76 創造的破壊!彼の資本主義の捕らえ方は、(戦後の日本の経済発展といえるか…?)米国日本州としてのそれ?そして、米国資本主義の日本を含む停滞と没落。赤い中国等々新興国の発展、今後の日本における経済を中心とする方向を考察する上で役立のでは。2011.3.11の大震災後の再生・日本の世界での立ち位置・方向性をも示唆している。イノベーションの予言者・シュンペーターの待望の本格的伝記。彼の波乱に満ちた人生と、様々な分野を統合して資本主義を徹底的に追求し理解しようとするシュンペーターの正にすさまじい生き方。2011/03/06

takao

1
ふむ2025/01/09

夢仙人

1
いやー疲れた。このボリュームに圧倒された。後半は伝記というよりも彼の著作「景気循環論」、「資本主義、社会主義、民主主義」及び「経済分析の歴史」の要約的部分が多い。一寸学術的過ぎるか。しかし、大経済学者であったことはよく理解できた。2011/12/05

メルセ・ひすい

1
14 2011/04/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1968578
  • ご注意事項

最近チェックした商品