内容説明
パッチワーク、キルティング、アップリケは、当初、布を節約して再利用したり、擦りきれた箇所の補強をしたり、別のものを付け足して保温性を高めるといった、暮らしの知恵から生み出された技術であった。やがて時代が移り、今やその技術は、布地を引き立てるための装飾や潤色に重点がおかれつつある。身近な素材から織り上げられる様々な布と民族とのかかわりを紹介しながら、世界中の人々がつくり上げた、目を見張るほど精巧で、手のぬくもりに満ちたキルトの魅力に迫る。
目次
第1章 素材(コットンとリネン;ウールとフェルト;シルクとベルベット;レザー(革)とスキン(皮)
リボンとブレード
プリントした布
染色)
第2章 用途(家庭;衣服)
第3章 構造(キルティング;アップリケ;パッチワーク)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
269
著者のキャロライン・クラブトゥリーはイギリスの刺繍家、クリスティーン・ショーはテキスタイル・アーティスト。本書は世界のキルトを扱うが、編集方針がやや変わっていて、第1章「素材」、第2章「用途」、第3章」構造」と、それぞれ機能別になっている。したがって、国や地域、民族ごとの特性はサンプルに掲げられた画像と解説から自分で読み取ることになる。キルトの実作者にとっては、おそらくこの方がいいのだろうが、そうではない私のような読者には、これはこれでありがたいようなそうでもないような。画像の美しさ、鮮明さは群を抜く。2024/09/03