内容説明
古典再発見。ギリシア文学はこんなに近かった!学問、教養をこえる、極上のエンターテイメント。
目次
1(漱石とギリシア奇談;襲の裾に月立ちにけり;乳房を含ませる女;非家の読む『高僧伝』;人にはどれほどの土地がいるか ほか)
2(『キュロスの教育』と古代小説の起源;古代ギリシアのシュララッフェンラント;メナンドロス、断片の愉しみ;『荘子』に寄せる西洋古典的注釈;虚構とリアリティの閾 ほか)
著者等紹介
中務哲郎[ナカツカサテツオ]
1947年大阪市生まれ。1975年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。京都産業大学助教授、京都大学教授を経て2010年退職。京都大学名誉教授。『ヘシオドス全作品』、京都大学学術出版会、2013年。第65回読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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in medio tutissimus ibis.
2
ギリシア文学からの眺め、という副題に縛られず荷風や荘子やサガなども顔を出す。さまざまな事を遠大な視野から眺める楽しくて勉強になるエッセイ。初めて知った言葉や概念がたくさんあった。アポストロペー(三人称が、突然二人称で登場人物に呼びかける)、ティコスピア(城塞からの眺め、眺めるように登場人物を一人一人紹介すること)、リングコンポジション(物語が折り返して初めの地点に戻ってくる環構造)、ケニング(一語で表せる言葉を二語以上で回りくどく表現する)、シュララッフェンラント(怠け者の国、理想郷)など。2015/07/12