著者等紹介
片岡義男[カタオカヨシオ]
1940年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳をはじめる。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年発表した「スローなブギにしてくれ」で野生時代新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほほほ
30
「人と人が会えば、それが夏であれば、物語が生まれ、人生が動き出す。再会から始まる7つのストーリー」長谷部千彩さんの影響で片岡さんの存在は知ってたけど小説は初読み。片岡義男ワールドというものがあるそうですが、この本もきっとワールド全開ですね。かなり独特。「どんなに良く出来たコーヒーでも、二杯が限界だろう。やがて僕たちはこの店を出る。駅前までいっしょに歩く。そこで別れる。きみひとり、先に出ろよ」出てくるのは東京に住む成熟した大人の男女。自分の意志で自分の人生を颯爽と生きていて格好良かった。他の作品も読みたい。2014/07/30
スパイク
11
たとえば「真夜中のセロリの茎」というフレーズをもとに著者がイメージを膨らませ、書きあげた短編集。なにか核になるもの(アイデア)から物語を紡ぎだすというのが、いつの頃からか(始めから?)著者の作風となってしまってから、面白いのと、面白くないのとの差が大きくなったような気がする。で、面白かったかと聞かれると、う~ん。登場人物(特に女性)がカッコよすぎて逆にしらけてしまう。だから、ちょっとスレた(ストリッパーとか娼婦とか)女性を主人公にした作品が私好みなんですが、今回は、う~ん、でした。2014/08/11
Books1419+
9
角川の赤背表紙の頃からの読者ですが、どこにでもある風景を、誰にも真似出来ない視点と言葉で切り取って、何処にもいない登場人物で、紡いでいくのはさすがです。帯に書いてあった「すごいよ、ヨシオさん!」は、まさにその通り。2014/02/23
REI
8
図書館本。会話が非現実的なんだけれど、なんとなくおしゃれ。短編集なのに読了に時間をかけすぎてほんとに「なんとなく」読み終えた感じになってしまった…2017/10/01
nemuro
6
ここのところ何冊か立て続けに読了している片岡義男の作品。おそらく、以前ならストーリー的にかなり気障な印象を受けて、仮に読み始めたとしても、まもなく頓挫してしまったでしょうが、本書の各短編を読み進めるうちに、もう10年近く行っていない東京近郊の風景が浮かんでくるなど、素直に楽しめました。私自身がそれなりの年齢を重ねる中で、少しは片岡義男の世界に追いつけてきたのかもしれず、ちょっと嬉しくもありました。「あとがき」によれば、まずタイトルを決めてから書き始めるらしいことも、ちょっと意外な発見でした。2016/12/18