感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スミス市松
10
言葉自体に錯乱はない。一つ一つの詩はか弱く、常に風景のざわめきを描く。だからこの本を持って外へ出て太陽の光や潮風にさらしたり雨や林の中を歩くといい。詩は自然の風景を必要としているから。そして現実の風景と書かれた言葉の双方向から詩的投射を受けるとき、自分の心の形体が立体的に浮かびあがる。その輪郭がこれまでに経験した水や風の流れによって削られ、天候の寒暖差によって歪み、様々な人の言葉によって刻まれたり縁取られたりしていたことにも気づく。2018/04/18
gu
5
歩行と、読書と、地、水、火、風。著者のこれまでの思索の道程が詩の形をとって演じられている。歩くという動詞が、どの詩にも見え隠れしているように感じる。 「こうして土地がかれらの祭壇となった/祈りの一形式としてのかれらの歩行」2017/06/08
kana0202
0
p12. おれたちの音楽と存在は/ この島=宇宙を昆虫のように模倣している2020/01/21