内容説明
因襲と偏見にみちたワーグナー像を排し、その芸術の本質を、その人間性を、その政治的影響を、最新の研究成果にもとづき客観的に提示。300点近い貴重な図版とともに、ワーグナー像の転換を迫る!
目次
父親:父と少年時代
音楽修業:青少年時代の弟子生活
生活の糧:最初の職
軛の下:ドレスデンの宮廷歌劇場指揮者
永遠の放浪者:『さまよえるオランダ人』
必死のヴェーヌス探求:『タンホイザー』
伝統的オペラへの白鳥(決別)の歌:『ローエングリン』
革命家の道:ドレスデン蜂起
チューリヒの日々:スイス亡命
ヴァルハルの興亡:『ニーベルングの指環』〔ほか〕
著者等紹介
ミリントン,バリー[ミリントン,バリー] [Millington,Barry]
イギリスの著名な音楽評論家。「ロンドン・イブニング・スタンダード」紙の音楽批評主筆であり、「ワーグナー・ジャーナル」の編者。バイロイト音楽祭その他での上演顧問もつとめてきた
三宅幸夫[ミヤケユキオ]
1946年生まれ。慶應義塾大学名誉教授
和泉香[イズミカオル]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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またの名
7
ワーグナーに妻コジマを略奪された若きハンス・ビューローの肖像が、若くして上の方がアレで同情を誘う。カラー刷りの豊富な図版で当時から現在までの写真やイラストやパンフレットを眺めて楽しめるだけじゃなくて、最新の研究成果を踏まえた詳細で生々しい実生活の伝記的記述は、それだけでも上質の出来。どちらか片方に偏って解釈されがちなマルクス・バクーニン路線とショーペンハウアー路線の両者もしっかり押さえ、更にナチ時代の政権との一族の否定しがたい癒着について臆することなく言及。戦後の一族の試行錯誤まで載せてあって、お腹一杯。2014/11/13
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