内容説明
ラテンアメリカをはじめ数億の人びとを救った「コムギ」、飢える者がいないほど豊かであったインカ帝国の繁栄を支えた「トウモロコシ」と「ジャガイモ」、明治維新の牽引者・薩長土肥諸藩の経済・社会基盤を強化した「サツマイモ」と「サトウキビ」など、世界史の拡大をうながし、人びとの生活様式をも変えてきた作物改良の歴史を網羅。
目次
イネ
コムギ
オオムギ
トウモロコシ
ソルガム
アワ
ソバ
ダイズ
ジャガイモ
サツマイモ
テンサイ
サトウキビ
トマト
イチゴ
アブラナ科作物(ブラシカ)
ネギとタマネギ
ブドウ
カンキツ
リンゴ
チャ
バラ
著者等紹介
鵜飼保雄[ウカイヤスオ]
1937年生まれ。東京大学大学院農学系研究科博士課程修了。同大助手、農林省放射線育種場、農業環境技術研究所、東京大学大学院農学生命科学研究科教授を経て、現在は執筆に専念。専門は育種学、放射線生物学、統計遺伝学
大澤良[オオサワリョウ]
1959年生まれ。東京農工大学農学部卒業。筑波大学大学院農学研究科修了。農学博士。農林水産省北陸農業試験場、筑波大学教授を経て、筑波大学大学院生命環境科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いぼいのしし
11
流し読み。印象に残ったのは、『世界で一番生産量が多いのはトマト』というのと、『サツマイモは病害虫が少なく収量が安定している為、江戸時代の飢饉や第二次世界大戦後の食糧不足を日本人はサツマイモのおかげで食いつないだと言っても過言ではない。』ということ。2019/05/27
R
6
物凄く面白い本でした。どんなジャンルでも歴史という側面から見ることができることを改めて思い知らされて、歴史好きな人にもおすすめの本でした。様々な品目を多くの著者が書いていますが、どの歴史も面白くて、人類史と並んで歩いてきたというか、作物と人類が相互に作用した結果であるような、そんな壮大さが詰まっていました。サツマイモの偉大さと、イネに対する挑戦、カンキツが世界に与えたとてつもない影響力等々、どれも面白い名著だと思いました。2014/07/03
yurari
4
この手の内容でボリュームも結構あるので、てっきり翻訳本だと思っていたが、日本の農学分野の先生方が複数で書いたもので驚いた。非常におもしろい。特にジャガイモとカンキツの章が良かった。作物が歴史に大きな影響を与えてきたのだなぁと感慨深い。そして、専門的な内容も豊富。執筆した先生方の努力に拍手したい。農学を学ぶ人には特におすすめ。2013/06/17
Hiroyuki Nakajima
4
専門書なので素人には難しいのですが、様々な作物が原産地で採取され、現代に至るまでの歴史が学べて良い本でした。 ダイコンやみかん、サツマイモ等の馴染みが深い作物も海外から渡来したものである事を知らなかったので、新鮮な発見でした。 意外だったのは蕎麦の主要生産国は、ロシア、中国、ウクライナ、フランス、米国、ポーランド、ブラジル、日本の順だそうです、製麺して食べる国は限られているようですが、独自の作物では無いことが驚きでした。 「雄性不稔」に関して細かい記述がありました、生産を優先で考えれば都合が良いです2012/01/14
Junichi Kitazawa
2
これは面白い コーリャンのこととか高校時代以来に思い出した2013/07/11